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十二環界と天塔の魔王  作者: ぷやっさん
第二章 二番島《工環ペリカンテ》

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18/27

第17話「契約の檻が揺れるとき」

■ 基本プロフィール

名前:マルク・ヴォルダン

肩書き:大ギルド《鉄環連合》契約術師ジャッジマン

年齢:不明(外見は30代後半)


■ 外見

顔の半分を覆う鉄仮面

片目に“金色の契約紋様”が埋め込まれている

手には常に黒と金の契約札

感情がほとんどない

呼吸のように契約陣を操る

 鉄環連合本部の奥、

“契約工場”と呼ばれる巨大な空間は、

契約札の光で薄青く染まっていた。

壁に刻まれた契約陣。

天井を走る幾千のパイプ。

足元の床には、恐怖が染み込んだような黒ずんだ紋様。

そして中央には——

契約術師ジャッジマンマルクが立っていた。

「教師風情が契約術師に歯向かうとは、笑わせる」

「教師風情でも、生徒を守るためなら何度でも立つ」

「甘い。

甘いが故に、お前は“光の理”の敵となる」

マルクの手元に黒金の札が浮かび上がる。

【契約:拘束

対象:リオ・ヴェルナー

内容:半径五メートル内での行動制限】

(……また契約で縛る気か)

札が光り、地面の紋様が反応する。

「動けば燃える。

その場で消えろ」

「断るって、言ったはずだ」


マルクが指を鳴らすと、

床の契約陣が一斉に光り、

リオの足元に黒金の“印”が刻まれた。

(……これが“契印スタンプ”か)

契印は、契約術師が地形そのものに契約を刻む術。

踏んだ瞬間に契約が成立し、逃げようとすれば罰が発動する。

「さぁ、元師団長。

戦場では強者だったお前でも——

“契約の檻”の中ではただの餌だ」

マルクが札を向けた瞬間——

――ジュッ……!

リオの肩に焼けるような痛みが走る。

「っ……!」

【制約:動作制限違反

罰:焼灼痛】

(……くそ……!

一歩動くだけで契約の罰が……!)

リオの額に汗がにじむ。


「先生……!」

ミナが駆け寄ろうとする。

「来るなッ! ここの床全部が契印だ!」

ミナは足を止めた——が、

その瞳が微かに金色に揺れた。

「……見える……」

「何?」

「契印が……

どれが“恐怖の契約”で……

どれが“ただの罠”か……

色と……揺れ方が違って見える……!」

(ミナ……お前……)

契印は普通の人間には見えない。

だがミナには“層”として視えている。

マルクの片目が光る。

「……面白い。

ガキのくせに、契約の層が“視える”のか」

ミナは震えながらも声を張る。

「先生、右足の三歩先……“無害”です!

左は……絶対ダメです……!」

「よし、やるか」

リオは痛みに耐えながら、

ミナの指示した方向へ一歩踏み出す。

——罰は発動しない。

(ミナが……契約の層を見抜いてる……!

これは……戦える!)

「次、先生、後ろへ半歩!」

リオは即座に動き、

マルクの光弾を紙一重で避けた。

契印の上で動けている。

「……ガキが……契約陣を“読んでいる”だと?」

マルクの表情がわずかに歪む。

(ミナのこの力……ただの才能じゃない。

塔と……何か繋がってる……?)


「契印の死角、右四歩……!」

「了解!」

リオは壁を蹴り、マルクとの距離を詰める。

だが——

「甘い」

マルクの足元にも契約陣が展開された。

【契約:反撃

対象:攻撃者

罰:衝撃反転】

マルクの胸に拳を叩き込んだ瞬間——

「ぐっ……!?」

衝撃が倍になってリオ自身へ返ってくる。

壁へ叩きつけられる。

(これが……契約“反転”……!

殴れば殴るほど自分が傷つく……!)

ミナの声が重なる。

「先生ッ! 直接攻撃は反転されます!」

(物理攻撃は禁忌か……

だったら)

「じゃあこれはどうだ」

リオは契約札の破片を拾い、

マルクの足元へ“投げた”。

——キンッ

音もなく粉々に散る。

「無駄だ。

契約札には契約者の意志が刻まれている。

他者が干渉しても意味はない」

「いや。意味はある」

「……何?」

「ミナ、次の“無害な足場”は?」

「左三つです!」

「よし——!」

リオは札を砕かせたことで得た“粉塵”を

周囲に舞わせながら跳んだ。

(“消える素材”で相殺する……

契約陣にも通じるはず!)

契約粉が契印の線をかすめると、

契約陣がわずかに“濁る”。

「……!?」

「ほら。

契約は“脆い”。

破り方も……ある」

「人間が契約を壊すなど……!」

マルクが激昂し、

全方位に契約陣を展開する。

【封鎖陣】【焦燥陣】【痛罰陣】【拘束陣】

——一斉に光る。

「先生! 危険が——全部来ます!!」

「分かってる」

リオは深呼吸した。

(ミナの声が……聞こえる。

塔の脈動も……俺を導いてる。

戦える……)

「行くぞ、ミナ。

“契約の教師”の力を見せてやる!」


戦場が白く染まった時。

リオの胸が、塔の脈動と同じリズムで高鳴った。

——ゴウン……

契約陣が一瞬だけ揺らぐ。

「……!?」

ミナが叫ぶ。

「先生……今の……塔の光……

先生の中と……共鳴してる……!」

(塔……

お前は……何を俺に見せたい……?)

脈動が、リオの身体の奥を叩く。

(分からなくてもいい……

今はただ——ミナを守る!)

「教師の戦い方ってのを教えてやるよ、契約術師!」

リオが踏み込む。

契約陣が光り——

マルクが札をかざす。

そして——

第二島最初の大戦、

《契約術師マルク》戦が本格的に始まった。

少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマーク・評価宜しくお願いします!!


※本作の執筆にあたっては、

一部のアイデア整理や設定構築にAIを活用しています。

物語の最終的な構成・文章表現・キャラクター描写は、

すべて作者自身の手で仕上げています。

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