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十二環界と天塔の魔王  作者: ぷやっさん
第二章 二番島《工環ペリカンテ》

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13/25

第12話「工環の裏路地と“燃える契約”」

基本プロフィール

名前:ベルモンド・レイヴン

年齢: 32歳

身長: 188cm

体格: 鍛え上げられた重量級の筋肉

職業: 工環ギルド《レイヴン機工》所属の技師兼“案内人”

所属: 表ギルド《レイヴン機工》/裏ギルド《カラスの巣》と繋がりあり

性格: 豪快・面倒見が良い・勘が鋭い・嘘が嫌い


◆ 外見

肌は煤で黒く、油の匂いが染みついている

片耳に“歯車型のイヤリング”

腕には火傷跡が多数

服はいつも焦げている

だが笑うと白い歯がやたら眩しい

 ベルモンドに案内されて歩くうちに、

工環ペリカンテの街は次第に“光”から“影”へと変わっていった。

大通りの騒音は遠のき、

代わりに路地裏の蒸気が白く立ちこめる。

鉄板が軋む音、排煙の臭い、

そして人目を避けるように潜む影。

(……王国とは違う。

ここは……“生き延びる力”が試される島だ)

ミナが袖を引いた。

「先生……ここ、ちょっと怖いです」

「大丈夫だ。泊まる場所を確保したら、しばらくは安全だ」

「でも……なんか……冷たい気配が……」

ミナの“第六感”がまた働いている。

(本当にミナの勘は鋭い。

ただの子どもとは思えない……)


「着いたぜ。ここが例の場所だ」

ベルモンドが指差したのは、煤で黒ずんだ建物。

扉にはカラスの紋章。

「『カラスの巣:ブラックレイブン』。

ギルドの“表に出せない依頼”を扱う裏部門だ。

王国の連中も滅多に手出ししねぇ」

(……ギルドの裏社会……こういう場所は嫌でも勘が働く)


中に入ると、薄暗い部屋で数人の男女が黙々と書類を整理していた。

「ベルモンドか。

なんだ、また借金でも作ったか?」

「違ぇよ! 今日は“客”だ!」

ベルモンドは俺を指した。

「こいつ、王国から追われてる“危険人物”だ」

「おい」

「いや、悪い意味じゃねぇ。

むしろ“匿う価値がある”ってことだ」


女性職員が眉を上げた。

「元師団長…“らしい人”って噂は聞いてたけどね。

どういう事情?」

「王国が勘違いして、俺を異端扱いしてる」

「勘違い……ねぇ」

女は棚から一枚の契約札を取り出して言った。

「この島で匿うには“契約”が必要。

ここでは嘘つきは死ぬし、破れば燃える。

あんた、覚悟は?」


「……教師だからな。

生徒を守る覚悟くらいある」

「ほぉ?」

女が目を細めた瞬間だった。

契約札が、リオの指に触れた途端、淡く光った。

「……え?」

「嘘をついてない証拠だ。

本気で守る気がある者だけ、札は“温かく”なる」

だがその温もりの奥に、

リオは微かな“黒い脈動”を感じた。


(……契約札が……俺に反応した?

いや……これは……黒の環刻の時と似てる……)

女は驚いたように微笑んだ。

「なら問題ない。

ここに匿ってあげるわ」

ミナがほっと息をつく。

「よかった……!」

(だが……胸がざわつく。

塔の脈動とも違う……

この島の“契約の理”が、俺に反応している……?)


女が続けようとした時、

裏口の方でどさり、と音がした。

「今の音……!」

「ミナ、下がれ」

扉を警戒しつつ近づくと、

そこにはひとりの少年が倒れていた。

煤だらけの服。

指には軽い火傷。

胸には契約札の破片が貼り付いている。


「ベルモンド……この子、知ってるのか?」

「知ってる……! こいつ、“小ギルド”の見習いだ!」

ミナが叫ぶ。

「息……あります! けど……すごく怖がってて……!」

少年は震えながら呟いた。

「……契約が……燃えた……

ギルド長が…“嘘をついた”って……

だから……札が……ぼくに……!」

(契約が燃える……?

本当に……奇妙な力だな)


その時、裏口の影でカツンと音がした。

ミナの肩がびくりと震える。

「……先生……光の匂いがします……」

(光……?

まさか——)

「おい、誰だ!」

ベルモンドが叫んだ瞬間、

人影が一歩だけ現れた。


白銀の肩章。

光の紋章。

(……王国の……!)

「“光戒師団・第二潜伏班”……?」

リオが呟くと、影はゆっくり顔を上げた。

「元師団長リオ・ヴェルナー。

契約破りの罪人を匿うとは——

やはり貴様は“異端”だな」

「勝手な決めつけだな。俺は教師だ」

「教師ならば……

その女と子どもを置いて、出頭しろ。

守れまい。

お前には“光の理”に逆らう資格などない」

(光の理……またそれか)


「先生……!」

ミナが震える声で袖を掴む。

「大丈夫だ」

リオは一歩前へ出る。

(逃げるつもりだったのに……逃がしてくれねぇのか)

「お前たちの光で、子どもを巻き込む気か?」

「神の光は、選別の光だ。

弱き者は砕け散るのみ」

(……殺す気だな)

契約札が、リオの胸元で熱く震えた。

(……ああ、そうか。

“守る契約”って……こういう時に力が宿るのか)

戦う理由はただひとつ。

生徒を守るため。


「——ミナ。

今のうちに隠れろ」

「先生は……?」

「大丈夫だ。

俺は教師だろ。

“守る契約”は破らない」

光戒師団が光弾を生成する。

裏路地が白く染まる。

「燃え尽きろ、異端教師——!」


光が放たれた瞬間、

リオは地面を蹴り、

前へ——ではなく、横に跳んだ。

(直線攻撃か……なら大丈夫だ)

光弾が触れた壁が“音もなく消える”。

「な……外しただと!?」

「直線しか撃てねぇ武器なんて、

騎士団じゃ三流だ」

リオは距離を詰め、隊員の腕を掴む。

「ぐっ……!? な、なんだこの力……!」


「元師団長舐めるなよ」

膝が入り、敵の全身が沈む。

そのまま裏路地の石畳に叩き伏せた。

「ヒッ……!」

「次は外すかもな。

ここで撃ったら、後ろの子どもごと消える」

敵は歯を食いしばり、後退した。

「……撤退だ……!

この男は…“素人の皮”をかぶった怪物だ……!」

(素人……。

まあ、教師の姿はそう見えるか)

ミナが走り寄ってきた。

「先生……大丈夫……?」

「俺は平気だ。

でも……」


倒れていた少年に目を向ける。

「この子は……どうする?」

ベルモンドが悔しげに拳を握る。

「こいつ、ギルド長に“嘘の契約”押しつけられたんだ。

契約札が燃えたのは、そのせいだ」

(嘘を押しつける契約……

そんなことができるのか?)


青白い顔の女性職員が答える。

「契約魔法は“恐れ”で発動する。

子どもに嘘を押し付けたギルド長の責任は大きい。

処罰は免れないわ」

(……なるほど。

この島の契約は“恐れ”と“信頼”が鍵か)

「リオ、嬢ちゃん」

ベルモンドが真剣な顔で言う。


「この島で動くには、契約を知らなすぎる。

だが逆に言うと、

“お前みたいな奴”はこの島に必要とされる」

「俺が……?」

「ああ。

“守る契約”を選ぶ人間は、この島じゃ希少だ」

リオはふっと息を吐いた。

(……守る契約。

その言葉だけは、胸にしっくりくるな)

塔の方向が、また脈動した。

(旅は……まだ始まったばかりだ)


「先生……

次はどうするんですか?」

「決まってるだろ。

まずはこの島で“契約”の意味を知る。

それが旅の第一歩だ」

ミナは嬉しそうに頷いた。

「はいっ!!」


こうして第二島ペリカンテでの最初の事件は幕を閉じ、

リオは“契約の力”と“王国の影”の危険を強く認識した。

そして——

塔の呼び声は、一層強くなっていった。

少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマーク・評価宜しくお願いします!!


※本作の執筆にあたっては、

一部のアイデア整理や設定構築にAIを活用しています。

物語の最終的な構成・文章表現・キャラクター描写は、

すべて作者自身の手で仕上げています。

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