湖
湖
羽を無くしたら、
鳥は、
だから、飛べないって、
わかるのかな。
春には、
シベリアに行く仲間に、
お別れを言わないといけない。
水面に浮いて、
見上げて、送る。
泣いたりは、しない。
そういうものだって、
もう、わかってるんだね。
なんだか。
みんな、行ってしまったな。
そんなふうに、感じながら、
なんとなく、水面をつつくのかな。
だけど。
冬に、みんなが戻ってきたら、
とても、嬉しそうだね。
片方の羽を、いっぱいにひろげて、
頭を上げて、大声で鳴いて。
あいさつしてるみたいだ。
嬉しいなら、
やっぱり、
さびしいとも、
感じるよね。
近頃。
君の仲間が、増えたね。
みんな、怪我して、
飛ばなくなったけど、
いつも、一緒だ。
たくさんの仲間を、
一緒に見送り、出迎えるんだ。
シベリアの話しを、
全員で、するんだろうね。