第26話 お祭りの後
『街角突然ミュージカルどっきり』は大成功に終わった。
いやぁ、やっぱりミュージカルは楽しいね。ギターマン族の皆さんがご飯を食べながら見てた『街角突然ミュージカルどっきり』の動画を指さして騒ぎだしたときは何のことかと思ったよ。
うんうん、私には分かったよ。言葉は通じないけど君たちの言いたいことは伝わったよ。こういったミュージカルどっきりはただ驚かすだけが目的のものじゃないからね。労働条件の改善とか政府へ言いたいことがあることがあるとか、何らかの主張があってやるものだからね。
そして彼らの言いたいことに私はピーンと来たね。トマトカレーを食べてるときに彼らが主張したいこと。それは『トマト嫌いの仲間がいるからトマトはおいしいということを教えてやってくれ』ということでしょう?
うんうん、分かったよ。やってやろうじゃない。
こうしてミュージカルどっきりを成功させるために、私とモフミミ、ダンスメイドは演奏をがんばった。作詞作曲はもちろん言い出しっぺのギターマン。
歌詞の意味はさっぱり分からないけど、きっと『おいしいトマトを食べよう』みたいな歌詞なんだと思う。
それからギターマン族の人たちと一緒にダンスメイドが振り付けの練習したり、歌と演奏の練習をしたりした。
そして私はおいしいトマトカレーの研究も一生懸命やった。
ギターマン族はベジタリアンらしいからね。動物系の旨味は使えないということで人参タマネギじゃがいもの他にもお肉の代わりに厚揚けとか他の野菜もバランスよく入れたトマトカレーの出来上がり。辛さは控えめにした甘口カレーだ。
これなら野菜嫌いのお子様でもおいしく食べられることでしょう。
ということで出来上がったカレーの入った鍋を思い出箱に入れて複製可能にしておく。あとはお米も好き嫌いがあるかもしれないのでナンも焼いてみた。フライパンで焼いたけどまぁまぁの出来じゃないかしら。
そしてついに当日。
我が家にはモフミミとダンスメイドとギターマンしかいなかった。他のギターマン族の人たちは街で普段と変わりない生活をしているふりをしているはず。
ギターマンに案内されながらギターマン族の街へ潜入。まだ遠くから見てるだけだけどね。うーん、街というより村という感じかな?森に囲まれてるし。
「いっくし!」
あら、恥ずかしい。なぜか家の場所から外に出るとクシャミが出るのよね。気を取り直して……。
さあ、ついにドッキリの始まりだ。
「さぁ!いってみよう!」
私は思い出箱から私たちが演奏した曲を取り出す。そして始まるレッツ、ミュージカル。
うんうん、なんて言ってるのかさっぱり分からないけれどいい感じだよ。そろそろ私たちの登場かな。
もちろん私は今日の主役、トマトカレーを持って登場するよ。おお、ダンスメイドは今日のダンスもキレッキレだね。
私はカレーを持ってるからそんなに激しく動けないね。両手で鍋を持ち上げて腰を振っているさまはサザ〇さんのエンディングのタ〇のようにクネクネと踊る。
ほほー、あれが今回のターゲットね。一人踊っていない人を見つめる。
ギターマンと同じくらいの年頃に見えるけどきっとギターマンより年下なのだろう。発育は良いけどどトマトの嫌いなお年頃ということかな。大丈夫大丈夫、君みたいなお子ちゃまでもおいしく食べられるカレーにしたから。
最後はお子ちゃまもダンスに加わってフィナーレ。いえーい、大成功だね。じゃあ、主役のカレーだよ。テーブルセッティングして、カレーの鍋とナンとご飯を並べて……あれ?なんかみんなノリ悪くない?おいしいカレーですよー?
「???」
よく分からいけれど役目は終わった!さて、主役を残して部外者は去るとしよう。いつまでも演者がここにいても仕方ないからね。
ということで、我が家に帰った私でした、とても楽しかったです、まる。
追伸。
なぜかギターマンが顔をパンパンに腫らして帰ってきました。
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