冒険者ギルドでのテンプレ
リュウと『黒き翼』がいなくなった瞬間、レイ達は変な輩に絡まれた。
「お、やっぱカードもらったばかりのE級じゃねえか!おい、坊主たち、俺ら冒険者の先輩が、イロハを教えてやろうか!?」
2人の冒険者で、胸元にはレイ達とは違う色のカードが見える。
「D級の冒険者です。こんなのに教わることはないし、無礼なので、始末しますか?」
クルスが静かにブチ切れている。
サラッとレイとオードリーに怖いことを言った。
「ちょっと、クルス、、、!」
オードリーが小声で諌める。
「ありがとう。でも、僕たちには、B級の彼女と、後A級の兄がいるから大丈夫。」
レイが絡んできた輩にそう伝えた。
「おいおい、冗談だろ?こんな嬢ちゃんがB級なんて!授業料安くしといてやるから、言うこときけよ!」
酒を飲んでいるのか、しつこく絡んでくる。
(しつこいな、、、。)
レイは少し苛立ちながらも、初日に騒ぎを起こしたくないので、黙って2人を鑑定した。
レベルは10強で、ギフトは【剣士】と【魔法使い】だった。
(レベルの割には、ステータスは俺たちよりも低い。教わることは本当になさそうだな。)
「おい、びびってんのか知らねーけど、返事しろよ!」
黙っていたことに、輩が苛立つ。
「ふう。うるさい奴らだな。俺たちよりも弱いアンタらに、教わることなんてないよ。あっち行っててくれ。」
レイはしっしっ、と手を払った。
「なんだとぉ、調子にのりやがって!!!」
【剣士】がキレて、殴りかかってきた。
「!!」
その瞬間、クルスが反応しようとしたが、レイは手でクルスに「待って」の合図を送る。
(大丈夫、こんな遅い攻撃、余裕だ。)
レイには相手の動きが『視えて』いた。
パンチをかわし、足をかけると、【剣士】は勢いよく転んだ。
「いってぇ!なにしや、、、」
【剣士】が振り向いたときには、鞘には収まっているが、レイの短剣が喉に突きつけられていた、
「くっ、、、!」
【魔法使い】が慌てて魔法を打つ姿勢をとるが、
「動かないで下さい。」
【魔法使い】の首元には、回り込んだクルスの剣が突きつけられられた。
「ひっ、、、!」
一瞬で、勝敗は決した。
「私たちは、楽しくお茶していたいだけなので、これ以上絡まなければ今回は見逃してあげるわ。でも、次はないから。」
オードリーが冷たく言い放つ。
「す、すみませんでした、、、!」
そう言い放って、2人は出て行った。
「どこにでもあんな奴はいるもんなんだな。」
「クルスの殺気が漏れすぎてて、怖かったわ。」
「失礼しました。無礼な者たちだったので、つい。」
3人が何事もなかったように話していると、リュウが合流した。
「すまん、すまん、遅くなったな。」
「いえ、大丈夫です。」
リュウは、あの後、ギルドマスターに討伐した盗賊について話していたようだ。『黒き翼』に依頼がある程、厄介な盗賊だったようで、その副棟梁を生け捕ったことに、感謝と謝礼金をもらったようだ。
「、、、結構な金額貰いましたね。」
「まぁ、相手的にこれぐらいが妥当だったみたいだな。これで2ヶ月は宿に泊まれるよ。」
「冒険者って結構儲かるんだね。」
「そうだな。今後はもっと稼げるようにするぞ。じゃあ、今日はもう宿に向かうか。」
4人はギルドを後にし、宿へと向かった。