王都への道中 ~初の魔物との戦闘~
レイがスキルを放った後、すぐに4人で話し合った。
「あのスキルは、簡単に人にうっちゃ駄目だなやつだな。」
「スキルレベル1で4つでたということは、レベルが上がるとさらに殲滅力が上がりますね。」
「そうだね、、、。」
「消費MP30というのもなっとくです。」
「熟練の魔法の使い手でも、あの威力は中々お目にかからないな。威力は上級魔法ぐらいか。」
「そうなんですね、、、。」
「すごいことだよ、レイ。ただ、まぁ、レイ自身でも、まだびっくりしていると思うから、慣れるまでは渡した武器などを使うといい。」
「そうですね。ありがとうございます!」
リュウは、直近の稼いだ金を、レイとオードリーの武器に使っていた。
レイは短剣と盾を、オードリーは杖兼メイスと盾を装備している。中々の装備のようだ。
「さて、、、まずは、これから何をするかだが、王都について住む場所を確保したら、2人はレベルをできるだけ上げてくれ。俺はまた学園がはじまってしまうから、クルスは平日、2人のサポートを頼めるか?」
「お任せ下さい。」
「クルスも冒険者なの?」
「B級冒険者だ。レベルは俺よりも高いぞ。」
「「え?」」
「ご覧下さい。」
クルスはそう言ってレイ達にステータスを見せた。
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【ステータス】
クルス
年齢 20歳
レベル51
HP : 380/380
MP : 250/250
ST(物理攻撃力): 200 + 100
DF(物理防御力): 100 + 100
INT (魔法攻撃力): 230
RES (魔法防御力): 100
AGI (素早さ): 260 + 220
ギフト: 【剣神】(★★★★★★★)
スキル: 身体強化 LV.5
忍びの心得
状態異常無効 LV.Max
索敵 LV.9
隠密 LV.9
暗殺術 LV.9
急所突き LV.9
火遁 LV.7
水遁 LV.5
雷遁 LV.7
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「ステータスは、300を超えたら冒険者の中ではトップクラスと言われている。つまり、クルスはかなりの実力者ってことさ。」
「クルスも強かったんだね!」
「すごいわ、クルス!」
「ふふふ。ありがとうございます。」
「さて、話を戻そう。まずレベルを上げる、ということは大丈夫か?」
「レベルを上げて、冒険者をする、とういうことですか?」
「そうだね。冒険者も休みにやってもらおうとは思うけど、2人には、4月から王都の学園に通ってほしい。3月に入学試験があるから、実技対策としてレベルを上げておいてくれ。」
「「学園!?」」
「そうだ。あそこは大陸1番の学校で、多くの優秀な人材が集まる。そこで、切磋琢磨して、自身を磨いてくれ。あと、友人は財産となる。多くの人と交流して、学んでほしい。」
「でも、お金は、、、。」
「大丈夫。俺はA級冒険者だ。余裕さ。卒業すれば、もっと安定して稼げる。問題ないさ。」
「兄様、、、!ありがとうございます。」
「はは、2人にも今を楽しんで欲しいんだよ。」
「特待生の可能性も高いでしょうね。勉強も元からできましたし、何より、ステータス、スキルは間違いなく同年代トップでしょう。」
「うーん、大丈夫かなぁ。」
「私も心配だわ。」
「念のため、勉強もしとけよ。まぁ、大丈夫だ。何かあったら、俺たちが守るさ。」
「ありがとうございます。兄様。」
「後は、これからの道はモンスターもでるから、倒してレベルを上げていけばいい。」
「レクチャーいたしますね。」
「そうかぁ、、、ドキドキするなぁー。 、、、!何かがこっちに向かってきている気がする!」
今後の話をしていた時、レイの頭の中に、なにかが入ってきた。
「何!?本当か!?クルス!?」
リュウは斥候のできるクルスに確認をとる。
「いえ、、、!?いえ、きてます!西から5体、スピード的にウルフタイプです。」
「斥候もできるクルスより早く敵に気付いたとは、、、これがレイの力の一つか。」
「でも、何かが来ている、という感覚だけで、クルス程正確ではなかったよ。」
「十分さ。よし!馬車を止めて襲撃に備えるぞ!」
「「「はい!」」」
少しすると、敵が見えてきた。
「ウルフだな。モンスターランクはFランク。レイとオードリーの2人でも対応できそうだが、ここは皆でやろうか。」
「はい。お願いします。」
「レイは1番左の1体を、オードリーは1番右の1体を。俺が他の3体をやろう。クルスは2人のフォローを。」
「「「はい!」」」
「レイ、オードリー、安心しろ、お前たちのステータスなら、少しぐらい攻撃されても問題ない。オードリーのその杖はメイス替わりになるから、その杖で叩くといい。」
「わかりました、兄様。」
「いくぞ!」
リュウの掛け声と共に、3人はウルフと相対した。
「はっ!」
リュウは一瞬で3体のウルフを片付けた。
そしてレイとオードリーの状況を確認する。
なるべくは、リュウとクルスは手を出さず2人を見守るつもりだ。
それぐらい、2人とウルフのステータスの差はある。
まず、オードリーがウルフを倒した。
ウルフの飛びかかりを冷静にかわし、
「はあぁ!!」
メイス一閃。見事ウルフの顔を捉えて一撃で仕留めた。
「やったの、、、?」
「おお、やるじゃないか!オードリー!」
「さすがです、オードリー様。」
初めてとは思えぬ戦いぶりに2人からも安堵の声が漏れる。
そして、3人はレイを確認すると、
「いまだ!!」
ドドドッッゴォーーーーン
例のミサイルでがウルフが跡形もなくなっていた。
「はは、レイのやつ、敢えてあの技で倒したのか。アイツもウルフの攻撃を見切っていたし、大丈夫だったな。」
「お2人とも初めてとは思えぬ動きでしたね。」
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〜レイ視点 ウルフとの戦闘〜
ウルフの動きは、アホーズより少し速い程度に見えた。1対1なら、問題なさそうだ。
思ったよりも冷静でいられそうだ。
もしかしたら模擬戦やってたアホーズに感謝しないといけないかもなぁ。
お、ウルフが後ろ足に力を入れているのか?
、、、くるか?、、、ん!?
身構えた瞬間、脳裏にウルフがどこに飛びかかってくるか、軌道のイメージが浮かび上がった。
この通り動けば、躱せる、、、?
結果、ウルフはイメージ通りの行動をとり、俺は簡単に避けることができた。
これがあの「超人類」というスキルの力なのだろう。ありがたい。
その後も、この感覚を確かめる様に、あえて攻撃せず、数回ウルフの攻撃を躱してみた。
飛びかかって噛みつく攻撃も、爪で引き裂く攻撃も、全てイメージ通りで簡単に躱せた。
これは、悪くない、悪くないぞ!
俺のAGIと、この読みがあれば、早々に攻撃には当たらなくなる。
それがわかっただけでも、この戦闘は収穫なのではないか。
後は、どう仕留めるかだが、、、
「短剣で簡単に勝てるけど、、、出来ればスキルに慣れておきたいな。」
ただ、近距離でミサイルを撃っても、自分にも爆風が来るので、少し離れないといけないか、、、。
ならば、まずは距離を離すか。
電撃鞭をつってみよう。麻痺させばなんとかなるだろう。
完全に動きを把握できたから、次でいくぞ!
、、、きた!
交わした直後は隙だらけだ!
「今だ!」
俺の鞭がウルフに巻きつき、電撃を放つ!
「ギャギャギャギャギャ、、、!!」
激しい電撃に、ウルフはすぐに気絶&麻痺状態になった!
これなら、距離とれるぞ!
俺はすぐに安全な距離をとり、照準を合わせた。
これ、気絶&麻痺状態だと、楽勝だな、、、。
そして、ミサイルを放つと、4つが全弾命中した。
激しい音と煙が上がったあと、ウルフは跡形も無くなっていた。
うーん、オーバーキルすぎるな。
でも、何となくコツを掴んできたかも。
もっとたくさん経験つまないと!