火種の予感
ある森の奥地で、ある集団が会議をしていた。
「皆、お疲れ様。誰一人欠くことなく、また集まれてよかった。」
リーダーらしき人物が皆を労う。
「まずは各自、報告を頼む。その後に、今後の動きの決めよう。」
「「「「「了解。」」」」」
「では、『牙』から報告を頼む。」
「、、、。了解した。我々は、計画通り、王国北部の火山で、真龍・ボルケーノドラゴンの封印を解くことに成功した。」
「!?おお、よくやったな!、、、だが、王都の被害はあまり耳にしなかったぞ。どうだったのだ?」
『牙』と呼ばれる人物は、悔しそうな表情で話しを続ける。
「結論から言うと、王都の被害はゼロだ。真龍・ボルケーノドラゴンは、復活間もなく討伐された、、、!」
「おいおい、、、嘘だろ?あれは、人では討伐は無理なのではないのか?」
「いや、、、信じがたいが、真実だ。『鷹の目』で戦闘をみていたが、学園の生徒が、1対1で真龍の首をとった。」
「ばかな、、、!?伝説の存在と言われた真龍だぞ?それをガキが一人でなんて、できるものか!」
「【剣神】(★★★★★)のギフトを持つ、学園始まって以来の天才らしいぞ。私のメンバーからも、その生徒が、国を救ったと国王から表彰され、銅像が立ったと聞いている。おそらく真実だろう。」
「ばかな、、、!?」
「実際にこの目で見たが、その【剣神】がいるうちは、王都の攻略はかなり厳しいと感じた。」
「なに、、、!?『牙』、お前ほどのやつが怖気づいたのか?」
「いや、俺は冷静だ。しかし、【剣神】は凄まじい戦闘力だった。本来、俺の部隊は、任務以上のことを果たしたはずだったんだ。」
「どういうことだ?」
「俺たちは、火山奥の神殿に命からがら潜り込み、予定通り、集めたアイテムを使い真龍・ボルケーノドラゴンの封印を解くことに成功した。すると、驚くことに封印されていたのは、真龍だけでなく、その下部なのか、3匹のレッドドラゴンも一緒に姿を現したんだ。」
「簡単に王都なんて滅ぼせる戦力じゃないか、、、。」
「ああ、俺たちも作戦の成功を確信した。しかし、その【剣神】は、レッドドラゴンをものの2~3分で片付けた。しかも、3体とも一撃だったよ。」
「本気か?ドラゴンを一撃って、どんな攻撃力をしているんだよ、、、。」
「俺も目を疑ったよ。でも真実だ、そしてレッドドラゴンを一掃したあと、ボルケーノドラゴンと対峙し、死闘の末、【剣神】が勝ったんだ。」
「まじかよ、、、。」
「だから、その戦いを見たものとしては、アイツがいるときに王都を攻めることはおすすめしない。だが、やりようはあるだろう。別の場所へ【剣神】を誘導し、その隙に狙うことはできるはずだ。」
「なるほど。」
「悔しいが、報告は以上だ。」
「わかった。次は『凪』、頼む。」
「おう、王都潜入メンバーの報告だと、先ほどの【剣神】はしばらく王都にいることになりそうだぞ。なんでも、アナクロス家を兄弟とともに追放されたらしい。」
「追放?何故だ?そんなすごいやつがなぜ?」
「そこについては、事実だ。俺たちから報告する。」
「『影』か。わかった。では続けるぞ。【剣神】は王子お抱えの客人兼、学園の臨時教師になるようだ。帰る家もないし、そのような選択肢をとったのだろう。」
「王都に残るのか、厄介なことになったな、、、。」
「そうだな。だからこそ、うまく誘導しなければならない。合わせて第一王子も、【剣神】とつながりが強く、より継承権を高めたそうだ。」
「第一王子は優秀なんだよな?」
「ああ。ただ、第一~第三王子まで、全員が優秀なようだ。正直、だれが跡取りでも、あまり関係ないかもな。」
「そうか。」
「表立ったイベントなどもなく、国王や王子を狙うチャンスも少なそうだが、引き続き潜入は続ける。それと、来月から、学園に俺のメンバーが潜入予定だ。試験を受けることになるが、問題ないだろう。」
「『刃』か。あいつなら大丈夫だろう。」
「俺たちからは以上だ。」
「了解だ。次は、『影』、報告を頼む。」
「おう、俺か。待ってたぜ。みんな、朗報だ。【剣神】の出身地のアナクロス領だが、落とすのにそう時間はかからなそうだぜ。後数カ月すれば、俺たちの拠点にできるかもしれねぇ。」
「どういうことだ?」
「まず、【剣神】が追放された件だが、ありゃ、追放ではなく、自ら出たようだな。今の当主が無能すぎて、愛想をつかして優秀な兄弟や執事たちと出ていったようだ。」
「まじかよ、、、。」
「その当主は、全て執事たちに任せていたらしく、みんな【剣神】たち兄弟を追って辞めていったから、今慌てて自分で業務をこなしているが、全てにおいてダメらしく、国力も財政もみるみる悪化している状況だ。」
「まあ、そうおなるだろうな、、、。」
「この前も、商人に扮して交渉したんだが、偽物の芸術品をふっかけまくったら、大量に購入していきやがった。ありゃ、典型的なダメ領主だ。」
「なるほどな。そこに付け入る隙があるということか。」
「そうだ。その交渉の際に、夫人とも接触できたんだが、夫人も領主のセンスのなさを嘆いていて、人を探していた。だから、俺たちは、夫人に取り入って、アナクロス家の客人や執事等として、動くことになったんだ。」
「おお!すごいじゃないか。」
「ああ、そして、働いて尚更わかったんだが、アナクロス領はすでにボロボロだ。残ったアナクロス家は全員ボンクラで何もできないから、もう少しメンバーを入り込ませられる。数カ月すれば、俺らで乗っ取ることができそうだぞ。」
「楽観視しずぎてないか?『王国の剣』と呼ばれた一家だぞ。」
「大丈夫。今の当主は大したことねぇ。んでもって、冒険者もC級以下しかいないんだ。」
「そんなんだと、小さなモンスターハウスとかでも滅びてしまいそうだな、、、。」
「ああ。だが、そんな感じだ。だから、俺たちは、いつでも乗っ取れるようにしておくぜ。間違いなく、アナクロス領に何かあったら、【剣神】たちはこっちに来ることになるだそう。」
「素晴らしいな。了解だ。よし、次は『月』、頼む。」
「俺たちも、今のところ順調だ。獣人の国周辺で今は数を集めているが、あと半年もすれば、攻略も可能だろう」
「数は順調か?」
「ああ、既に目標の半分は達成している。任せてくれ。俺たちからは以上だ。」
「わかった。皆、報告ありがとう。次の動きを決めるぞ、、、!」
こうして、謎の集団は、王都攻略の計画を綿密にねっていった。
すみません。
全体的に内容にちょっと納得いってないので、一旦ここでストップします。
一から別作を作成予定です。