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俺の【異世界兵器】がとどまることを知らない  作者: SNDKT
冒険者業開始から学園入学試験まで ギフトの覚醒
29/30

崩れ行くアナクロス領

~ムノー視点~


リュウたちが家を出てから数カ月。

邪魔者たちがいなくなり、後継ぎ問題もクリアになった儂は、悠々と暮らしていた。


無能どもがいないことで、こんなにストレスフリーになるなんてな。

はっはっは!



しかし、財政や、外交、魔物の間引き等、今までは、クルスや他の執事などに丸投げしていたんだが、儂がやることになった。

需要なポジションの奴が、何故か皆辞めていったからだ。

恩を仇で返しやがって。使えない奴らだ。



儂は久しぶりに、各所からの報告を聞くことにした。



「なに?魔物を間引きする冒険者がいない!?」


「はい、、、。リュウ様が出て行かれた後、それを追うようにギルマスや冒険者たちが「違う街を拠点にする」と出ていかれました。」


「な!?リュウのやつ、引き抜いていったというのか?」


「いえ、、、。話を伺うに、今までは、そもそもB級冒険者以上はアナクロス領にはおらず、リュウ様が先頭に立ち、間引きを行っていたとのことで、リュウ様がいなった今、魔物から守れる人がいない、と皆出ていかれたようなのです。」


「ばかな、、、あいつは【剣士】(★★)だぞ!?そんな実力があるわけないだろ、、、。」


「ですが、、、。」


「え、ええい!もういい!!儂が何とかする!下がれ!!次!」


ふざけおって!リュウごとき、落ちこぼれなんぞについていく冒険者がいるわけなかろう!

この際、アホーズのレベルあげもかねて、儂が自ら間引きをしてやる!リュウなんぞでできるなら、儂でも余裕だ。

面倒くさいが、しょうがない。


次だ、次。


「はっ!財政を報告いたします。今月の収支ですが、過去最大の赤字となっております、、、。」


「はぁぁ!?どうしてそうなる!?」


「はい、、、!理由は2つです。1つは、税を上げたことで、民が反発して出ていったこと、もう一つは、、、申し上げにくいのですが、先日の外交かと、、、!」


「な!?儂のせいだというのか!?」


「いえ、、、し、しかし、高値で購買したものは全て贋作で、、、」


「ええぃ、うるさい!それだけでは赤字にならんだろう!民の方は税を上げて解決しただろう!何故また先月よりも下がったのだ!?」


「はい、税を15%あげたのですが、25%の民が出ていきました。」


「なぜそうなる!?」


「、、、理由もなく15%も上げましたので、、、。」


「ぬぅぅぅ、もういい!もういい!!! 下がれ! 次!」


どいつもこいつも、足を引っ張りおって!


確かに、この前の外交は「楽して儲けられる」

という他領の商人の言葉を信じすぎて、大赤字をこいてしまったが、

久しぶりだからしょうがないだろう!


民も民だ!15%税を上げたぐらいで出ていきおって!

もっと税を上げるしかないじゃないか!


くそっ!次だ!次、次!!


「はっ、、、先日、ムノー様より授かった案を商人ギルドに投げかけたとこと、アナクロス領からの撤退を表明されました。」


「どぉぉしてそうなるんだ!」


「我々の知識のなさと、税率の上昇、街の安全性等を考慮した結果、とのことで、今後は月に1度、訪れるかどうか、とのことでした、、、。」


「生意気な!しょっぴけ!そんな奴ら!」


「商人ギルドと冒険者ギルドは王国管轄ですので、、、」


「そんなのわかってるわ!もういい!!下がれ!!!」


この領には無能しかおらんのか!

なぜみんな出ていく!


「父上、いいですか?」


「おお!アホーズか!どうした?」


おお!儂の息子よ!儂と同じギフトをもった、アナクロス家の宝よ!!

せめてお前からはいい報告を聞かせてくれ、、、!


「父上!聞いてください!俺、ゴブリンを倒せるようになりました!!」


「おお、ゴブリンをか!そうかそうか!!、、、ん?ゴブリン、、、?ゴブリンロードではなく?」


「はい!ゴブリンです!」


こいつ、、、もしや、、、。


「、、、アホーズよ。レベルはいくつなんだ?」


「はい!レベル4になりました!」


「、、、いや、お前、ギフトもらってから約2年いったい何やってたんだ、、、。」


こいつもポンコツだったのか?

儂はクラクラっときたよ、、、。





~ドロシー視点~


困ったわ。

この数カ月でわかったことは、

旦那のムノーは、全くと言って、領主の器じゃないわね、、、。

戦闘以外、何もできないじゃない。


いままで、優秀な部下たちに全て任せきりだったから、表立ってなかったけど、

皆、リュウたちがいなくなって、辞めちゃったから

ムノー自身がやらざるを得ない状況になったけど、、、。

まさかここまで無能だなんて思わなかったわ。


【剣神】を授かり、王国の危機を救ったことで、領を授かったアナクロス家。


「王国の剣」と呼ばれる、誇り高い一族に、第2夫人として入り、早15年。


アホーズを授かっても、第1夫人のベラがいるときは、

入り込む隙がなくて難しかったわ、、、。


でも、ベラが亡くなってからは、

ユニークスキルの『房中術』で、ムノーを私の虜にし、

洗脳に近い形で、ベラの子供たちをムノーに虐げさせ、

この前、やっと追い出すことに成功したの。


それにより、アナクロス家の跡取りは、私の息子と決まったわ。

なんて名誉なことでしょう。



けど、このまま行くとアナクロス家はダメになってしまうわ。

ムノーに任せてはいられない。



私が優秀な人材を探してこないと、、、。


そうだ、この前屋敷に来た商人が「人材の紹介もできる」と言っていたから、

紹介してもらおうかしら。


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