04*この溢れる想いどうすれば良い?
お題先なし。タイトル後付け。 半年以上前に書いたものだと思われる。携帯に残っていたのでほぼ手を加えず投稿。因みにこの話は長編になるはずだった。女の子視点の話も微妙に書いてあったが、投稿出来る程ではなかったので断念。
一目惚れだったんだ。
初めてお前を見つけたのは高校の入学説明会の時。熱心に説明を聞くお前が一番輝いて見えた。
どうしても俺のいるこの高校に入って欲しくて。どうしてももう一度会いたくて。俺は今まで以上に丁寧に学校の説明をしたんだ。
でも本当に俺の高校に来てくれるなんて全く考えてなかったのに。
「先生!荻原先生っ!」
名前を呼ばれて後ろを向くと、
「あぁ、すいません。考え事をしていたもので。何でしょうか、蓮見先生」
蓮見楓が立っていた。
蓮見楓はなんだか俺に気があるらしく何かと話し掛けてくる。
それなりに美人でモテるというが俺は全く興味なし。
「これ、今年の先生の受け持つクラスの名簿と書類です」
「ありがとうございます」
俺はそう言って蓮見楓から名簿と書類を受け取った。
「わたし用事があるのでこれで失礼しますね」
「はい」
大量の書類の中から中学から送られてきた顔写真入りの内申書を取り出す。
それを無関心にペラペラと捲っていた。
別に俺はクラスの生徒がどんな奴だなんて興味はない。でも仕事だから一回はめんどくさくても目を通しておかなきゃいけない。
そんな風に思ってた。
思ってたのに……
「―――…っ!」
……お前を見つけた。
“叶深雪”そう書かれている内申書には入学説明会で見つけたあの子の顔写真が載っている。
運命やら神様やらいるわけがない空虚な妄想にその日ばかりは感謝した。
一年の初登校日。
どれだけ俺がこの日を待ち望んでたかお前は知らないだろう。
顔を会わせた時、俺が珍しく緊張してたことだって知らないだろう?
お前と初めて話せた時、俺がどれだけ嬉しかったかお前は知るわけない。無理やり仕事を手伝わせて、それでも俺に笑顔を向けてくれるお前が本当に好きなんだと俺は確信した。
無理矢理キス。お前を傷つけることは分かっていたけど止められなかった。
俺のことを先生なんて見てほしくなくて。
俺のことだけを考えて欲しくて。
お前は15。俺は27。12も下の子を好きになった俺ってやっぱロリコンって呼ばれるやつなんだろうか?
なんて本気で考え始めてる俺は正直ヤバい。
でも、それくらいお前が好きなんだよ。
どうしようもないくらい好きなんだ。
なぁ、今少しくらい俺のこと考えてくれてる?
先生と生徒なんて、年齢なんて関係ないんだよ。
俺はお前に。俺は深雪に歩み寄りたいんだ。
この溢れる想い
どうすれば良い?
(ほら、この荷物持つの手伝え)
(えー!何でいつも私なんですか!)
(お前が俺の視界に丁度いるからだ)
(何ですか、ソレ!)




