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27*If it wasn't raining,we Could go out.

お題先なし。辞書から適当に引っ張った第一段[C]。意味『もし雨じゃなければ、出かけられたのに』

何でこう外に出たい時って雨なんだろう。


「外出したいー!」

「仕方ねえだろ。雨だぞ、雨」

「せっかくのお休みなのにぃ…」

「お前はいつも休みだろ」

「学校行ってるし!って違うっ!休みってのは私のじゃなくて…」

「ああ、俺のか」

「そうだよ!いっつもいっつも仕事ばっかり」


有休も殆ど取ろうとしない本当に仕事ばっかりの男。

いつか過労で倒れちゃうんじゃないかっていつも思う。

……彼にとってはその心配すら煩わしいものであると分かっているけれど。


彼女である私もほったらかしにして仕事を優先させるこの男は、本当は私なんか邪魔なだけで必要ないんだろう。

……なんて思う日も少なくない。

でもやっぱり好きだから、自分から離れるなんてこと出来ないの。

邪魔するしか出来なのだから、いっそ、拒絶してくれれば良いのに。


「……家の中、つまんない…」

「はあ?」

「……やっぱ出掛けよ」

「雨だっつーの」

「車あるじゃん」

「俺に運転させる気?」

「うん」


たまには我が儘だって言いたくもなる。

いつも構ってもらえないから。

だから、久しぶりのゆっくり出来る時間、有効に使いたい。

それに……いつまでも我が儘は言えないって知ってるから。

この関係が終わるまでならいいでしょ?

我が儘の一つや二つ、可愛いお願いだって叶えてみせてよ、ねえ。


それとも、自分から離れられない私のことなんか構うことも…嫌?


「…ったく」

「キス、して」

「は?」

「キス。キスしてよ」


何も言わず私にキスしてくる貴方から、いつかは離れなくちゃ。

それが遠い未来じゃないことも理解してるよ。


キスなんて本当はいらない。

それより…もっと私のこと構ってよ。




If it wasn't raining,

we Could go out.



(私のこと突き放すまでは)

(傍に、いて)

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