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23*残念ながらベタ惚れ2

お題先『確かに恋だった』

…同じお題で書いてしまったと気付いたときには既に書き終わっていた…というアホな話。めんどくさいから同じタイトルのままで。


俺は教師失格だと時々思う。

だって俺は……君に、生徒に恋をしてるんだから。しかも、ただの純粋な恋じゃない。愛してるんだ。自分の手で壊してしまいたい程に。


「先生ーー!」

「ん?何だよ?」

「何だよ?じゃないよっ!今日は何の日だと思ってるの!?」

「え?何の日?」


なんて言いつつも実はちゃんと覚えてるけど。

ちょっと意地悪したくてからかってみる。


君の顔を覗き込むと…君の瞳は涙で揺れていた。


あぁ、泣かせてしまった。

泣かせたくはなかったのだけれど。


「……先生のバカっっ!」


君は涙目で怒って、俺に背を向けてこの場からいなくなろうとする。

そんな走り去ろうとしていた君の腕を少々乱暴に俺は掴んだ。


俺から逃げようだなんて許さない。

……たとえ、どんな理由があったとしても。

俺の前からいなくなるなんて許せない。


「っ、離して、よ!…記念日を忘れる先生なんか…嫌いっ!」


『嫌い』、か。

君のその言葉がどれだけ俺の胸に突き刺さるか、君は知らないから平気でその言葉を口に出来るんだ。

俺が君のこと『愛してる』って知らないのか?

俺が君のこと、生徒だってちゃんと分かっててリスクも理解してるのに、それでもお前と一緒にいたいんだって知らないのかよ?


それとも、ちゃんと全部分かってるくせにわざと言ってる?

……あー、もっと大人の余裕見せろって感じ。

余裕なんてねえじゃん、俺。カッコ悪。


「……あのさ、俺が本当に忘れてると思ってるわけ?」

「……え、?」


涙をいっぱい溜めた目で俺を見つめる君に甘い甘いキスをした。




残念ながらベタ惚れ



(付き合って今日で一年、だろ?)

(……っ!)

(忘れるわけないだろうが。ほら)

(これ……)

(指輪。俺のモンだって印)




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