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19*初恋は実らない、ジンクスさえも憎い

お題先『確かに恋だった』


俺が君と出会ったのは偶然だったのか、必然だったのか。

たまたま近くにいたのが俺だっただけ。俺がムカついたから、しめただけ。


それだけだったのに…


「あっ、あの、昨日はありがとうございました…っ」


翌日、俺の前にやってきて頭を下げたのは、昨日痴漢から助けた女。


それから俺達は毎日のように話すようになってた。

約束なんてしていないのに、それが当然のことのように近くにいた。

そんな日々は俺にとって楽しくて、手放したくないものになった。


彼女に対する想いは最初とは全然別の形へと変化していった。

彼女への想いが膨らんでいく。

気付けば俺はとっくに彼女に"恋"してた。


――俺の、初恋。


そんな自分に気付いてはいたけれど。

気付きたくない自分がいたのもまた事実。


だって最初から知ってた。


いつも目を逸らしていたけど、ずっと苦しかった。胸が痛かった。


――彼女の左手の薬指、そこに埋まって光っている、指輪。


出会った時には既にしていたその指輪は、俺と彼女の間に壁を作っていた。

踏み込んではいけない。踏み込むな、と。

忠告にも似た、警告。


『初恋は実らない』


だなんて誰が決めたんだろう。

そんなジンクスさえなかったら、俺にだってチャンスくらいあったかもしれないのに。


俺の最初で最後の初恋の相手は――

最初から俺のことなど見てくれない、そんな人でした。


初恋は実らない、

ジンクスさえも憎い



(そんなの八つ当たりだって)

(分かっているけど)



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