表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/28

10*僕の想いが君を壊す

お題先なし。狂愛?

――僕は狂っている。

そんなこと知ってる。


君を愛したときから…いや、生まれた時から僕は狂っているんだ。


親に疎まれ、世界に疎まれ、『愛』を知らなかった僕に『愛』を植え付けたのは君。


「ねぇ、僕が『死ね』って言ったら君は死んでくれるのかな?」

「……えっ?」

「……冗談だよ」


君の心も身体も、僕だけの為に存在すればいい。


君が囚われの哀れな蝶ならば、僕は蝶を捕らえて離さない卑しい蜘蛛。

君を危機に落としめる事しか出来ない不完全な一匹の蜘蛛。

僕のこの想いが君を地獄に引きずり込むことになると分かっていても、君を離すことが出来ないんだ。


「……貴方が私に『死ね』というのなら、私は迷いもなく死を選ぶわ」

「……僕が誰かを『殺せ』と言ったら?」

「その人を殺すでしょうね」


僕は狂ってる。

でも、彼女も狂ってる。


いや、僕が狂わせたんだ。

普通の男と普通に恋をして、普通に家庭を築き、普通の幸せな人生を送るはずだった君。

僕が君に出会って、君を愛したことによって、君の『普通』は消え去った。

だって僕は『普通』とはかけ離れている存在だから。


「君は狂ってるね」

「あら?貴方と同じよ?」

「……そうだね。でも僕と一緒にいたら、天国からのお迎えは絶対にないよ?」

「それでもいいわ。貴方が地獄に行くのなら、私はただ着いていくだけ」

「君はやっぱり狂ってるよ」

「今の私にとって最高の褒め言葉だわ」


君は笑う。狂った笑みで。


僕は君を狂わせる。


僕は君を破滅へと導く。


僕は君の――身も心も粉々に破壊する。




僕の想いが君を壊す



(いつかこの手で)

(君を殺してしまうかもしれないよ?)

(貴方の手で死ねるなら)

(本望だわ)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ