毎日の生活が単調に思えるとき
弁護士関係のネットにあった実話だそうです。
そこでは旦那さんは許したそうですが、納得いかなかったので、私ならこうするというのを書いてみました。
オレが何となく違和感を覚えたのはこの子が1歳ぐらいになったころからか。
目鼻立ちがはっきりし、可愛らしい顔立ちだが、オレは人から茫洋としたとかクマみたいと言われる顔立ちだ。
上の二人の娘には似ているところがたくさん見つけられたが、この子は自分に似ていないなあと思った。
「理沙、健太は誰に似ているかな?」
妻に問いかけると、一瞬狼狽した顔をしたが、「まだ小さいんだから、これからわかってくるんじゃないの。」と躱された。
その頃、仕事も忙しくて、家のことは妻に任せていてので、そんなものかと思ったが、感じた違和感はだんだん大きくなっていった。
娘達は、無邪気に「お父さんに似なくて良かったね。イケメンになるわよ。」と弟を可愛がっていたが、それを聞くと妻は狼狽え、「そんなことはないわ。この口元なんかよく似ているじゃない。」などと言っていた。
実家の両親も、「この子は誰に似たのかねえ。我が家の特徴はないね。」と言う。
父から受け継がれ、オレも娘も手相や指の形が似ているのだが、何一つ健太には無い。
ついに3歳になったときに、DNA検査をしてみた。
結果は会社に送ってもらったが、見ると99%親子関係はないということだ。
やはりという思いと、これからどうするかを考える。
(まぁ離婚だな。裏切りというより、托卵できる男と舐められていたのが腹が立つ。)
幸い仕事は落ち着いていた。そのまま、友人の弁護士に連絡し、相談に乗ってもらう。
それで頭が整理できた。
友人には、健太との親子関係不在の訴えと離婚の手続きを依頼する。
直ぐに帰る気も起こらず、メシはいらないとメールを入れ、居酒屋で一人飲みながら考える。
妻の理沙とは、大学からの付き合いで、就職して4年目で結婚した。
美人で頭がよく、気も回るので、いい妻を貰ったと思っていたが、夜の方は淡白で、二人の子供が出来てからはさっぱりだった。
それが、子どもたちが小学生の高学年になる頃、突然もう一人欲しいと求めてきた。変だなと思ったが、オレも男の子が欲しかったので、喜んで応じた。
直ぐにできた子供が健太だったが、まさかこんなこととは。
仕方ない、腹を決めて家に帰る。
妻は家事を終えて、テレビを見ていた。
「おかえりなさい。ご飯は食べてきたのね。」
「ああ。」
風呂に入ってさっぱりしたあと、妻に話があるといい、向かって座る。
「実は、こんなことがわかってな。」
親子鑑定の結果を見せる。
「まさか現在に病院の取り違えということもあるまい。
いちいち理由も聞かないが、離婚しよう。」
オレの言葉に、既に覚悟していたのか妻は頷いた。
「親権は子供に聞くが、君が持って構わない。オレは仕事があるし、十分な世話ができない。佳奈と真由がオレと暮らしたいならなんとかするが。」
妻は黙って聞いている。
「財産分与も通例に倣うが、不貞のぶんは引かせてもらう。
養育費も必要分は出す。
あと、健太との親子関係は無くすように手続きしているが、相手には慰謝料を貰う。相手は誰だ。」
「それは言えません。迷惑をかけますから。」
妻は口を閉ざすが、オレは心当たりがあった。
「ならばいい。君がオレを誘ってくる前に同窓会に行って、泊まってきたことがあったな。同窓会の人達に何があったか探偵に聞かせてみる。」
「それはやめて!」
初めて妻は悲痛な顔をした。
それからは脅迫と説得で、相手の名前と動機を聞き出した。
相手は高校のときに付き合っていたイケメンだったそうだ。
毎日の家事と仕事の中、このまま年を取るのかと虚しさを覚え、イケメンの元カレとの子供がいれば、人生を生きた記念になると考え、誘ったらしい。
ふざけたことに、名前は健と言うそうだ。なるほど名前にこだわるわけだ。
「なるほど。オレや娘との生活は虚しかった訳だ。」
「そういう訳では・・」
流石にムカついて、嫌味を言うが、そんなことに関わっても仕方がない。
「相手は生出ししたのだから、子供ができるかもとわかっていたのだな。」
「安全日と言ったから、そうは思っていなかったはずよ。」
「なるほど、お前の独りよがりの行動か。
まあいい。相手には慰謝料を求めようと思ったが、これまでの夫婦の誼だ。
慰謝料をなしにしてやるから、その子供の認知と養育費を要求しろ。」
?の顔の妻に言う。
「相手の男が子供を生んでくれと中出ししてきたので、できてしまいました。
夫には申し訳なかったけど、家庭を壊したくなかったといえば、裁判官は女の言うことを聞いてくれる。
そのほうが、父なし子にもならずに、その子にもいいだろう。」
「それはそうだけど。」
まだ相手を騙して子供を作ったことにこだわっているようだ。
オレを騙してきたことは平気なのに。
「まあ、お前とあの子のことだから無理にとは言わんが、よく考えろ。
もし、子供を認めさせるのであれば、その日のことは相手が言ってきたことだと自分でも思い込むくらいになれ。そうしないとバレるぞ。」
そして、オレは荷物と貴重品を纏めて、家を出る。
こんな家で寝て、妻に包丁で刺されてはたまらない。
正直、托卵などして、なにを考えているかわからない妻が恐ろしい。
妻に相手に認知させろといったのは、相手の男への嫌がらせと、妻が困ったら娘がいる以上オレも関与せざるを得ないので、そいつからも養育費を取らせてリスクを減らすためだ。
次の日は休日だ。家に行き、娘に離婚とどちらに行くかを聞く。
理由も隠すことなく言う。オレに責任がないことははっきりさせておかなくては。
流石に娘たちは驚いたようだったが、中学生だったので、だいたいのことはわかったのだろう。
二人とも妻についていくそうだ。思春期になって、ダサい父親だと口も聞かなくなっていてのでやむを得ない。
妻の実家は家の近くだ。
電話で事情を話し、とりあえずのものを纏めさせて、実家に送る。
健太とはもう他人だ。目も合わさない。
妻の両親も驚いたようだったが、最近は離婚も多いし、孫とともに帰ってくることをさほど嫌がってもいないようだった。
そして、妻にもう一度相手への認知の話を聞くと、一晩考え、健太のためには父親と認めてもらうのがいいと決断したという。
「わかった。あとはオレの方で相手に接触する。お前はオレが言うまで出てくるな。」
「わかりました。」
では、弁護士を通じて、まずは慰謝料の請求から始めるか。