復讐の狼煙
この小説はR18です。適正年齢ではないかたの読書はお止め下さい。
「戻ってきたのか…」土の匂いと風を感じ、俺はもといた世界に帰ってきた。さっきまでのことは、夢の中のことだと思っていたが、現実だと受け止め、ネルキアに渡された異世界人が記された筆記帳を開き、最初に潰す異世界人に目当てを着けた。その名は、ヴィッセル=グラィツォ。かつて『狂智人』として、今は亡きニオニン共和国に巣食っていた暴龍ヴェラリーザを国ともども文字通り灰塵に帰す惨状をおこした、最強格の異世界人。今はもう年老いた老害であるはずだ。そう考え、ゼノンは、聞き込みをし、グラィツォのいる一軒家とおぼしき場所を突き止めた。どうにかして家の中に入らなければ…そう考えていた時、彼の家に何かを運ぼうとしている二人組を見つけた。話を聞くと、この二人は、身内の病を直す方法を知るために、この男に奴隷のように扱われているという。そこで俺は、「ならその荷物、俺が運んでやる」と持ちかけると、「それはありがたいのですが、何故そんな事をしようとするのですか?」と聞かれた。そこで俺は、「お前らが可哀想だからだ」と嘘の返答を返すと、それ以上聞いてくることも無く、俺にその荷物を預け、二人は新たな荷物を取りにいった。周りに人がいない事を確認し、俺はグラィツォの家に向かい、玄関のベルを鳴らした。するとすぐに、「おい愚図共、例のブツは持ってきたのか?」と声を荒らげ、グラィツォが顔を覗かせた。「あ?誰だお前?家間違いか?」「いえ、この辺をたまたま通りかかった時に、このブツを運んでいるのがキツそうに見えたので僕が代わりに持ってきました。」するとグラィツォは、「あの愚図共、自分は楽をしようとしたのか…腕の骨軽く折るかぁ…」何て言い出すので、俺は慌てて、「違います、それは僕が無理を承知で手伝ったのです。なので止めてあげてください。」「何にせよ、サボったことには変わりねぇ、骨ぇ折ってやる…」流石の俺でもキレたので、「おい、止めろって言ってんだろ、クソ陰キャ野郎!」とうとう堪忍袋の尾が切れた俺は、ネルキアに教えられた異世界語を言ってやった。するとグラィツォは見てわかるように動揺しだした。「何が目的だ?」俺はその言葉を待ってましたと言わんばかりの声量で、「俺とお茶でもしませんか?いい場所を知ってるんです」そうにこやかに伝えた俺に対し、グラィツォは渋々と言った感じで、「わかった、そこでお茶するだけなんだな?」「さぁどうだろうねぇ…?」こうして、俺の初異世界人殺しは、もうすぐのところまで迫っていた。 視点変更ーグラィツォ 「止めろって言ってんだろ、クソ陰キャ野郎!」その言葉を言われ、俺はこの世界で初めて内心で冷や汗を流した。この世界に、陰キャ野郎等という言葉はないはずだからだ。なのにこいはその言葉を知っていた。こいつも俺と同じ異世界人なのか?何にせよ、こいつは俺に対して取引をしようとしているらしく、俺としては不安を拭わなければならないので、「何が目的だ?」と軽く威圧しながら聞くと「俺とお茶でもしませんか?いい場所を知ってるんです」と言われたので、俺は渋々「お茶するだけなんだな?」と聞き、こいつについていったが、そのせいであんなめに会うとは、誰が想像できただろうか…
本日も御高覧頂きましてありがとうございます、作者の暇人です!今回はついに復讐の準備をし、次回復讐開始!と言うところです。ここ最近このシリーズが出なかったのは、テスト勉強が忙しく、とてもあげれる状況下になかったので、誠に申し訳ねぇ…!そんなこんなでこのシリーズは進みます。ですけど、こんな作品でも、応援してくれると嬉しいです。それでは皆さん、次の話でお会いしましょう、さようなら!