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転移した世界が愛おしい  作者: ぜんぎ君
プロローグ
1/3

プロローグ〜旅立ち〜

「よし。あとは神社に行くだけっと。」


小声でつぶやく僕。この時間に声を出すと案外響くのでちょっとびっくりするのが定番といってもいいだろう。


朝四時を過ぎたころだろうか。あたりは薄明るくなってカラスの鳴き声が聞こえる。


ああここまで長かったなぁ


汗と血の結晶ともいえるような薄汚い本をぱらぱらとめくると今までの努力が分かるたくさんのメモ。ここまでの長い道のりを考えると涙が出てきそうだ。


あぁ、感慨深い。この本によると最終目標地点は神社。10分以内につかなければいけない。

今いる川から神社は約五分。全然間に合う。よかった。いやぁしかし、あと五分で僕の長かったこの道のりが終わるんだ!!


本当にあるのかな。どうなんだろう。胸がドキドキするとか安っぽい恋愛小説でよくみるけどこれが本当のドキドキなんじゃないか?だってほら!触ってもないのに体のいたるところから心音を感じるんだもの。念のため手を胸にやると案の定破裂するのではないか、それくらいドキドキしてる。


これから夢がかなうんだ!少しくらいはいいじゃないか。


この高鳴る心臓とあふれんばかりの期待は僕をおかしくさせる。だってこんな風に思うんだ。多分だけど今の僕なら何でもできる。って。


何でもできるっていうけど何しようか。

ちょっと悪いことをしてみてもいいんではないだろうか。軽犯罪と呼ばれる類のものであれば右手の小指だけでちょちょいのちょいでできてしまう。思い立ったら即日。そんなことわざもあるくらいだ。

僕はズボンのチャックに手を伸ばし、余った片手を空高くつき上げる。ああ、こんないい朝もあるもんだなぁ。だってこんなに気持ちがいいんだもの。


一物を出し、大きな声を出そうとスゥっと息を吸う。肺に酸素が満たされた。


さぁ!!時は満ちた!



「あら!ゆうくん!朝早いのね!」


後方からは錆びかけた自転車のきぃきぃという音とともにご近所さんの声が。 あ、これ、終わったのでは?


「あ、あはは。おはようございます。」


「いつもこの時間に起きればいいのよ!明日も見かけるの楽しみに待ってるわ!」


もうほんと悪いことしません。一生。




いかんいかん。本来の目的を見失うところだった。神社に行かなければ!

僕は即座に走り出す。足で地面をつかみ前方へ進む。風を切る感覚が心地いい。視界はどんどん移り変わっていく。木々が後方へとびぬけるたびに僕の直線から木々が押し寄せてくる。


多分今の僕はメロスよりも早いだろう。だってこんなにも気持ちのいいことはない。


神社の石畳がでてくる。目の前には百段歩かないかの長い階段。普段はこんな階段死んでしまえって何度呪ったかわからないけれど今回ばかしは勘弁してやろう。木々が風で揺れて音が鳴る。僕の門出を祝福しているんだろう。きっと。


こつこつと一段一段鳴らしながら、踏みしめながら階段を上る。


もう異世界へ行くための作法は覚えてある。お金を入れて反対を向いて、バク転をして、


いろいろあるが一番大切なのは時間配分。これで失敗すると二度と戻れないらしい。でも僕はやるんだ!!何としてでも達成しなければならない夢がある!


小銭入れから500円玉を賽銭箱に放り投げる。


チャリン、、、


賽銭箱が鳴る。


次は反対方向に向かって、、

階段が見える。この階段急だから怖いんだよな、、


だ、だめだ!こんなとこで怖気付いちゃ異世界で何一つできやしない!


さて次はバク転だ。


僕は勢いよく地面を踏みしめ身体を重力に逆らわせる。視界が回る。これは成功じゃないのか!? 初バク転で成功は凄いだろう。僕は僕をほめてやりたい。無事に行けたら自分で自分をヨシヨシしてあげよう。


あれ。地面が見えない。空が近づく。周りの木々が目に入りそのまま遠ざかっていく。

これ失敗?あ、やばいやばいやばいやばいやばいやばい。世界がゆっくりになって、走馬灯が流れる。ああ、母さんごめんよ。いつも無責任なことして怒られてばっかだったけど素直になれなかっただけなんだ。

幼なじみちゃん、気持ち悪いこといつも言ってごめんね。キモイって言いながら本当は好きだったみたいなことも無く、ふられたけど、、、、


お父さ、、、


ドン!


あ、やばい地面にぶつかった。これ死ぬやつだ。音と共に視界が歪んでいく。丁度日の出が見えたところで僕の視界は薄らと(うっす)消えていった。




――――――――――――――――――――――――――――


ふぁあ。眠い目をこすりながら布団から出て、窓を開け、朝日を取り込む。5時きっかりのこの時間に毎朝起きるのがルーティンだ。爽やかな風、昇る朝日、何をとっても格別な朝である。いつもと何一つ違わないが、それが何ひとつの幸せであることを知っているのだ。


朝は忙しい。掃除をして参拝の準備をして、、、、、、


???


あれはなんだろう。賽銭箱のまえに何か、、


「おい君!大丈夫かね!」


人が倒れている。思考が止まり何一つ考えられない。目を閉じて開けると夢なんじゃ、と錯覚するほどである。

こういう時は救急車?警察!?


「おーいかみさん!急いで電話してくれ!


あと急いで救急箱を!!」


ごすっ


いてて。足に何かぶつっかってしまった。


(ん?なんじゃこれは。異世界に行くための100の手順?)


救急車のサイレンの音が近づいてくる。鮮明に聞こえてくるまでは時間を要しなかった。


いかんそんな場合じゃない!


「はやく!こっちじゃ!!」

初連載させていただきます。私、ぜんぎ君と申します。

投稿頑張りますので、ぜひ物語を楽しんでくださいm(*_ _)m


ところであとがきにはpv,ブクマ,感想を求める風習があるそうで、、、、、、、

皆さんこちらもぜひよろしくお願いしますm(*_ _)m

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