そもそもの最初は
転移した。
中元ひまりは異世界の女神によって地球から異世界に転移した。
女神曰く女神の世界のバランスを保つ為にたまーに違う星から魂を貰うらしい。
この女神は争い事が嫌いなので元の星で生きる気の薄い(この世界への執着の薄い)人間にオファーする事にしているらしい。
そして今回2番目に選ばれたのが私だった。
1番目にオファーした人は私よりも生きる気が薄かったらしいがそれは老衰によるもので、生きたい!というつよい気持ちはなかったものの自然と息を引き取るまでは死ぬ気はなかったらしい。死んだ後では魂の属性が無しになってしまうので生きている人間である必要があり、次に生きる気の薄い私にオファーがきたと言う事らしい。
「…確かに生きる気は薄い気がしますが、特に自殺願望もないですよ?私が2番目なんですか?死にたい人っていっぱいいるとおもいますけど、、、」
と、質問するとあくまで女神が探しているのは生きる気の薄い人間であり、死ぬ気のある人間ではないらしい。女神の世界で生きてもらう必要があり直ぐに死なれては意味がない。女神の世界は地球(日本)よりも文明が進んでおらず、また、治安も悪いらしい。ゆえに心身共にある程度健康的で無ければ死ぬか狂うらしい。なに、それ、怖い。
また、異世界に転移したとしても余りにも凄い特殊能力や金銭は渡せないらしい。過ぎたる力やお金は世界のバランスを壊すからとのこと。確かに。バランスを保つ為の人間がバランスを壊していたら意味ないわな。
なので、異世界に転移させる人間にはある程度の自立心が必要とのこと。なるほど、自殺願望がある人間には無理そうだ。うん。
そして、やる気がありすぎる人間も世界のバランスを壊す可能性が高いために駄目らしい。
当たり前だが、悪意の強い人間は駄目らしい。
その結果選ばれたのが私だった。
まあ、確かに生きる気(世界への執着心)も薄いし、やる気もほぼない。3年くらい前だったら悪意はあったが今はない。なるほど。2番目に選ばれた意味がわからないでもない。
『私の世界に来て頂けますか?』
「まあ、せっかくの機会ですし、行かせて頂きます。』
『では、どうぞ私の世界を宜しくお願い致します。』
「大したことは出来ませんが宜しくお願いします。(大したこと望まれてないけど)」
私は地球を脱出した。
これ、夢じゃないのかなー。