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復讐30話


 これは、ある愚かな少年の話。




 昔、とあるクニに、6人の子供がいました。


 1人は、掃除をする。

 必要の無いものを壊して片付ける。

 壊して壊して壊し尽くす。

 小物から人間まで、なんでも片付ける。

 あらゆるモノの掃除屋。

 その子が片づけるモノは、不必要なものばかりとは限らない。



 1人は、眺めている。

 日がな一日何かを眺めて過ごす。

 眺めてるお陰でとても物知り。

 だけどその子は眺めるだけ。

 自分勝手な傍観者。

 しかしそれでも偶には動く。

 風の向くまま赴くままに。

 


 1人は、定めている。

 ルールを決めて、事を行う。

 法や、思想や、人生さえも、この子の言葉一つに左右される。

 幼い裁定者。

 この子の裁定が正しい時も間違っている時もある。

 しかし誰にも止められない。

 なぜならその子が掟の王なのだから。


 

 1人は玉座に座っている。

 誰もその子には逆らえない。

 あらゆるモノの頂点に立ち、絶対の力をもつ。

 万物の長。

 他の3人もその子には逆らえない。

 叛逆の先にはただ死が待つ。




 しかし、1人は逆らった。




 その子はみんな怨んでた。

 血に染められた歴史を纏い、恨みも憎しみも喰らっていく。

 漆黒の復讐者。

 怒りに任せて人を殺し、裏切り者は根こそぎ消し去る。

 叛く力で敵を討つ。

 刈り取った命は数え切れない。

 呪いの上に呪いを重ねた。

 




 最後の1人は、何にもない。

 何者でもなく、誰も知らない。

 名も無き人。

 誰もその子の名を知らない。

 誰もその子の顔を知らない。

 故に純粋。

 故に無色。

 何者でもない故に何者にでもなれる。

 空虚な子どもは何かを詰める。



 





 「これは始まり。そしてそれは今も続く。世界の何処かにいるこの5人は、いつか互いを削り合う」


 ——————はそう言った。

 彼の正体は誰も知らない。

 彼はこの世界から外れた存在。

 人間の遥か高位の存在。

 彼は干渉しない。

 彼が干渉するのは、この世界が終わる時。

 断りから外れた時、彼は世界に干渉し、修正する。

 

 ユイトたち異世界人はその修正だ。

 ユイトとは、神々が世界の修正のために呼び出した救済システムのことであった。





 「愛しい私の復讐者。怒りのままに全てを滅ぼせ」




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