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復讐14話


 「ユージン、ユイトの所在はどうだ」



 「申し訳ありません。痕跡があまり無く、今だに発見には及んでおりません。が、しかし。あの森に入ったのは確かです」



 「ほう………?」



 国王は口角を上げる。



 「あの森、か?」


 「はい、()()()()()の森です」


 「クックック………あの化け物の行き着く先としては丁度いいではないか。して、何故それがわかった?」


 「森にいたキングオークの槍に血痕があり、 更に奴の持ちものの中に、ユイトが以前所持していたものがありました」



 ユイトが、キングオークに襲われたときに落としたのであろう。

 どうやらキングオークは偶然それを拾ったらしい。



 「では、あの化け物は………」


 「ええ、十中八九死んでいるでしょう。キングオークはクラス1のレベル1が勝てる敵では無いですからね………遺体がないのはおそらく喰われたのかと」



 周りの臣下も安堵の声を上げていた。

 国王はその知らせを聞いて嬉しそうに笑った。



 「ふふふふ、ハッハッハッハッハ! そうかそうか………漸くあの害虫を消すことができたか!」


 「勇者の装備もじきに集まるかと存じています」


 「ご苦労だった。下がれ」


 「はっ」




 ユージンは玉座の間を出ていった。



 「ユージン………実に有能な男だ。お前にぴったりだろう? リーリア」


 「はい、 お父様。彼こそ真の勇者に相応しいですわ」


 「真の勇者、か」



 国王はニヒルな笑みを浮かべてそういった。



 「真の勇者など存在せぬよ。勇者とは、愚民どもを操るための偶像だ。実に使い勝手がいい。今回の魔王討伐で、連邦国も帝国も、我らに一目を置くだろう。そうなれば()()()()()へ、グッと近づける」


 「仰る通りです」











———————————————————————————












 「くくく、これで俺も晴れて勇者かぁ。傑作だわー。王族の茶番に付き合ったおかげで俺はこの国の全ての人間から崇められる勇者になった。あっはっはっは! こりゃあいいや。俺って勝ち組だわなー。あんな美人を俺のモンにできるしよォ」



 ユージンは豪華な自室で寛いでいた。

 

 一兵卒だった彼も今や勇者。

 才能は確かにあったが、ユイト程ではなかった。

 だから、いきなり現れた異世界人が勇者になると聞かされた時、強くユイトを妬んだ。

 

 故に、今回の一件はかなり気分が良くなったらしく、かなり調子づいている。



 「ちょっと出るか」



 ユージンは外に出たい気分になったので、自室を出た。






 「御機嫌よう、勇者様」


 「おう」


 「ご機嫌麗しゅう、勇者様」


 「どーも」



 美人なメイドたちが頭を垂れる。

 ユージンはこの光景を見て更に調子付いた。



 「いいなぁ、これ。これこそあるべき姿だ………ん?」



 廊下で大臣たちが集まっている。

 1つ挨拶でもしてやろうと近づいた時、怪しげな雰囲気だったので、ユージンは咄嗟に隠れて聞き耳を立てた。



 「噂の呪われた財宝だろう?」


 「ああ、王様もそれを狙っているらしい。なんでも、各国の歴代勇者が残した幻の遺産だとか。手に入れれば、一国の王にもなれると言う。だが、過去にそれを探し求めに行った者は皆帰ってこなかったらしいぞ」



 そしてしばらく、ユージンは話をきいた。



 「………へぇ? いいこと聞いたな。にしてもあの国王(タヌキ)全然そんなモンがある素振りを見せなかったけどな」



 そしてユージンは、自室に帰って、ある計画を立てた。



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