復讐11話
「俺は運がいい!! あははははは!!! なんて好都合な獲物なんだ!!」
レオサンダーはユイトの言う通り全ての条件を満たしていた。
「グルルルルルルルルルルル………」
レオサンダーは静かにユイトを狙っている。
ユイトからは何も感じない。
人間の中でも特に雑魚。
レオサンダーの判断はこれだった。
だからこそ産んだ油断である。
「ああ、ゴメンゴメン、俺を喰いたいんだろう? 来いよ、ニャンコ」
レオサンダーは、まるで言葉の意味が分かったかのように怒り狂った雄叫びをあげてユイトを喰らおうとした。
「さァ喰らえ。俺のAUSをなァ!!!」
ユイトは剣を抜いてレオサンダーに向けて突き刺した。
——————発動、AUS《還ス者》
これは、攻撃をそのまま跳ね返すAUS。
グレイブのUSは武器にUSを纏わせて攻撃をする。
よって、このAUSで跳ね返せば、グレイブが自身のUSを喰らい、USが使えなくなるのだ。
発動時間は一瞬で物理攻撃限定。
タイミングを合わせなければならないが、成功すれば、
「グオオオオオオオ!!???」
今のレオサンダーのように攻撃を相殺することが可能。
「やった………出来たぞ!」
レオサンダーは訳が分からなくなっていた。
雑魚だと思っていた人間が自分の攻撃を簡単に止めたのだから。
レオサンダーは警戒して、一歩後ろに下がった。
「さて、来るか?」
レオサンダーの鬣が逆立っていく。
そして、
「グオオオオオオオオオオ!!!!」
方向と共に、雷を爆発させた。
完全に攻撃体制に入った。
「貰った………」
レオサンダーが大きく口を開け、雷を貯めていく。
それは徐々に膨らんでいき、巨大なプラズマの玉となっていった。
「ゴオオアアアアアッッッ!!!!」
放たれたプラズマ弾は地面を抉りながら、スピードが落ちることなく進んでいく。
それを見たユイトはニヤリと邪悪な笑みを浮かべた。
「キタキタキタァァァ!!!!!」
今度はAUS《雷撃ヲ乱ス者》を発動。
ユイトが右手を横に振ると、プラズマ弾はユイトを綺麗に避けていった。
そして、
「テメェの攻撃でも喰らってろ!!!」
それをそのままレオサンダーの頭にぶつけた。
いくら自分の属性だとしても、ここまで強力な技だとダメージはいくらか喰らった筈だ。
黒煙は晴れて出てきたのは、
「ハッハッハッ! ザマァねェな………!」
血まみれになったレオサンダーだった。
「まだまだだぜェ!!!」




