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革命の思考者達  作者: 神裂裕真
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自己紹介と思考者達

宿舎の玄関近くにある休憩スペースで私達は5人で机を囲み座っていた。

周りには私達6人だけがいた。真ん中に横たわれるほど長いテーブルがあり、キャンプ用の椅子で自分を含めた6人が座っていたわけである。

まだ特に何もしていないのだが人を待っているらしい。

隊長の話を聞いた感じだと、もう一人まだ来ていない人がいるらしい。その人がここに着き次第、ここで自己紹介をしていこうと話していた。そして皆がベンチに座った時、宿舎のドアが開きその男は入ってきた。


「すいません~ちょっと遅れてしまいました~」

「遅れましたもうしわけございません!!!!」


爆風のような勢いの女性が入ってくる間に声はぎりぎりかきけされなかった。


透き通った声で彼は言った。とてもいい具合に整った顔、細く筋肉のありそうな体、一目みるだけで思ったが最近のアニメの主人公っぽい姿をしていた。

ようするに・・・ただのイケメンか・・・はぁ・・・・別に良いんだけどさぁ・・・


そんなことを思いつつ、聞いてみる。


「なんでこんなに遅かったんだ?」


「ちょっと女の子達に色々頼まれちゃってさ」


いちいちそんなこと言わなくてもいいと思うんだが!モテ自慢か!モテ自慢なんだよな!そんなことを頭の中で考えていると


「モテ自慢かよ」


声に出た。さすがに失礼だと思い前言撤回しようとしたが。


「そうですよ。羨ましがる顔や妬む顔が見たくてね!」

彼の言いきったことに驚いた。

正直でよろしいですね!もうこいつと仲良く出来る気がしないんだが!


良くみると周りの人達は誰かが入ってきたことにさえ気付いていなかった。


私が隊長に「人来ましたよ」と言うとやっと気付いた



「これで全員よね!それでは自己紹介を始めましょう!」


「ではまずそこの赤髪の子から!右から順番に自己紹介していこうか」


赤髪ロングの女の人が立ち上がり自己紹介を始めた。と思っていた頃が私にもありました。的展開になった。


彼女は立ち上がり一言だけ言った。


「嫌です」


その選択肢は普通残されてないと思うんだが。


彼女が自己紹介を拒否した。それに隊長が「駄目だ、さすがにそれくらいのことはやってもらえないと名前も知らない私達が作戦時に名前を使えないのは困る」


おぁ、この隊長いいこと言うな、なんて思ってると「作戦に私を入れないでください」といいはなった。


その後「(ひじり)弥生(やよい)だ」と短く名前を言ってそのまま席に座った。


「まあいい、次の人だ。」


さっき話してきた不良っぽい金髪の男が自己紹介した。


木村(きむら)芳郎(よしろう)って名前だ、よっしーって呼ばれてるぜ!気軽に話しかけてくれよ、作戦とかにチームワーク的なの大事なんだろ?弥生ちゃんも仲良くしようぜ」


「・・・」聖さんが無言で木村さんの方を睨みつけている。この風景をみるだけで大丈夫なのか心配になってくるのだが他の人が気にしてないのにも心配だな。

ここ自己紹介の時点で心配しなければならないって大丈夫なのか・・・


「次は私?」

雰囲気の暗い紫のローブを着た女の子がそう言った。

「私は信楽(しがらき)(みやび)。皆とは普通に仲良くしていきたいの。聖さん、そんなに喧嘩腰にならないで。何をするにしても私達は仲間なんだから。敵は外国の兵よ、小隊の仲間じゃない。」


聖さんはその優しい声でそう語りかけられ、「分かったわ、この軍でこの小隊に入ったのだから我慢するわ」

と言い、少しムッとしている様だった。


「でも木村くん、あなたも流石に図々しいとは思わないのかしら?ましてや聖さんは女性ですよ?馴れなれしいとは思われても仕方無いと思いますよ。」


木村くんには少しトゲを感じた。


「忠告・・・ですかね?ありがとうございます。でもいつも通りがこれなんで、変えてしまったら自分ではない気がするんですよね~」


大人っぽくて今の隊長より頼りになりそうなのは気のせいなのだろうか、もしかして隊長もめちゃくちゃ優秀な人だったり?


「俺か?まあ順番的にそうか、俺か。」


少し物思いにふけていたのかぼーっとしていた彼が自分で気付き自分で解釈し自分で自分の番ということにした。

「俺の名前は生田(いくた)(らい)っていいます。少し短気だと言われますが、そんなことないというので、あまり気を使わなくてもいいです。これからよろしくお願いします。」


今気付いたのだがこの人が一番最初に「よろしく」と言ったかもしれない。

いかにも普通そうな人だが、睨まれているように思うのは私だけかな?まあ、これのせいで短気、つまり怒っている様に思われているのだろう、大体察しがついた。

「敬語は癖なので治らないと思います。気にしないでください」

印象的には一番仲良くなりやすいタイプかもしれないが入ってきた時には絶対に睨まれていたのであまり話しかけるのには勇気が要りそうだ。


そういったあとこちらを睨んできた。・・・いや違うか、目配せみたいなもんか」

「次は私か、私の名前は荒駆(あらかけ)蔵ノ(くらのすけ)。もしかしたら知ってるかもしれないが荒駆剣道場の二男だ。どんなところでも全身全霊を尽くし、功績を手に入れるつもりです。」


簡単に自己紹介をした。ついでに荒駆剣道場の二男だということも。この日本でそれは随分と有名な剣道場の名前だった。

誰もが、とまではいかないが、大半の人が一般常識位の感じで知っている事柄であるとは思っている。

旧地球が滅びた原因となった第三次世界大戦を終結させた剣豪が荒駆の今の当主だ。

各国の王や大統領を斬殺し、6億ほどの兵を一人で壊滅させたという二刀使いの男だった。

これによって全ての人類が進惑星に移動する時間ができたのだが、その事実を知る者はだんだん少なくなっている。隠蔽されているわけではないだろうが、各国というのは日本国もそうであり、日本の兵も大勢殺されており、そのような者を英雄だと奉ってはいけないのではないかと思われているのであろう。


「じゃあ次の方」


自分は話すことなどないので短くなるとは思っていたが、皆が短く自己紹介を済ませるので全体的にもう終わりそうだ。


「遅れて来ましてすみません。明石(あかし)(りょう)といいます。」

「特に特徴も無いので気軽に話しかけてください。特に女性にはどんどん話しかけて貰いたいですね。」

にっこり

満面の笑みを女性陣にむけるこの人を私はどうしても好きになれそうにないな。そう考えていると私はここで孤立してしまうんだろうか、と少し思ってしまった。


「じゃあ!私で最後かな!どうも!元気と体力はめっちゃある!桜井(さくらい)周子(しゅうこ)と申します!それじゃあこれからよろしくね!」


超ハイテンションな自己紹介が終わると短く、隊長はこう続けた。

「じゃ準備始めよっか!」

こうして自己紹介は終わったのだが、紹介した内容は短かったはずだが、なぜかと

ても長いようにこの時間を感じた。

正直いって自己紹介で不安が積もりまくったのだが、今後この小隊と私はどうなってしまうのだろうか。・・・














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