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革命の思考者達  作者: 神裂裕真
1/8

天才子供と思考者達

「ひゃっはーーーーーっっっ!」


「やった!やったぞ!勝った!助けたんだ!この俺が!」

そうだ勝ったんだ!・・・・え?俺は何に勝ったんだ?何を助けてたんだ?記憶がない・・・・・・

なら何故さっき俺は・・・・・とりあえず事情はそこら辺の人からでも聞かねえといけないな。

何も覚えてない人よりはそこら辺の人の方がまだ分かる気が・・・・・

アレでもちょっと待てよ。ここは・・・・どこだ?

自分の居場所がよくわからなくなる時はよくあった。ただし今回に限っては今まで通りの生易しい迷子ではないので、連絡や調べることで解決しそうにないものだと一瞬で判断できた。


周りが真っ白な世界にいた。


体が動かない。


完全に拘束されている状態ではない、しかし周りを必死に見まわそうとする私には意識が残っていた。よって寝ているわけでもない。

だが動けない。

まるで、寝ている時などに起こる金縛りのような感覚で、自分が自分をコントロールできないような状態、今はまさにそんな感じだった。


いつの間にか目の前に底のない暗い穴のような形容しがたいものが見えている。

「なんだこれ!?」

一言で何かと言われれば、[闇]という答え方ができるようなものだ。

そういうものが目の前にある。


そう気がついた時、覆いかぶさっていた[闇]の真ん中から光がみえだしていた。


その瞬間、少しだけだがこれまでのことを思いだした。


あぁ、そうだったな、なんで忘れていたんだろうな・・・・


重大な事実と今居る場所を把握し、自分に語りかけるように口を開きつぶやいた。


「死んだんだったな、俺は。」


その時、真っ赤に染まった自分が見えた。




~~~~

生まれた。


8月7日に僕は誕生した。


ほとんどの人はその頃の記憶なんて覚えている人は全くいない。

逆に覚えている人のほうが怖いだろう。

だけど僕は覚えている。僕は普通じゃないからだ。

生まれて半年僕は確実に、生きているとそう感じた。


僕は周りから異常なまでに成長速度が早いと思われている。

実際そうなのだが、僕が超人ということではない・・・はず・・・いや分からない。

僕は生まれた頃から専属教師が24時間様々な知識を教えて込まれるようにして育ってきたからだ

まあ専属教師等ではなく、それなりの知識を持った30代のおじさんに年中無休で話しかけられていたというのが現実ではあるのだけれど。

でもまあ、そこら辺の30代のおじさんではあるのだけれど生まれた頃から間もない僕からしてみれば、人生の大先輩であり、新しいことを教えてくれるような先生になれるのだ。

普通の子供はここまでされていないらしいのだが、ここまでされたおかげで僕もよく喋る子に育てられてしまったわけだ。


そうして僕は1歳の頃には既に喋れるようになっていた。

そのころになかなか喋らない父が言った言葉を覚えている。

父は、しばらくの間考えて、奇妙なことを口に出した。

「こんなに早く育つものか・・・」と

顔をしかめてしばらく考えたあと、こちらを見て言った。

「強くなるんだ。なにもかもを乗り越えられるようにな」と言っていた。


1年と五カ月で歩けるようになった。2年すると文字を書けるようになった。


こんな感じで少し成長が早すぎるというだけで評判になったが、そのうえこんな子がこの町に生まれたんだからなるべくできるだけの事はしてやろうと町の人達が生まれたばかりの子を快適な状態にさせようとしていた

こんな対応望んでないと父に言うと、すぐに町の人はやめてくれた。

その時に父は町の皆に対する発言力がもっとも強いらしいことを知った。


こんな感じで僕はすごい育つ子供みたいな感じに捉えられていると信じていた。


僕は本当に100年に一度生まれるとかいう天才ではない。


まあ、凡人でもないと言える。


そうやって僕は成長してきたから思う。


だからこそ僕は思う。


僕は普通に生きたかったんだ。


~~~~


いきなり周りが明るくなった


それだけで心は少し落ち着いた。


真っ暗な場所で恐怖心を植えつけられた先ほどと比べたら、こうして何処か分からない光

の中に包まれている方が安心ができた。


周りが少しずつ見えてくる。


僕は妊婦の後ろをついて行っていた。


周りには涙を流す人達や静かに手を合わせる人々。その場所の中央には綺麗に名前の彫られた棺桶と、その前にたてかけられた若々しい男の写真。


そこで確信してつい言葉をこぼす。


「救われたのか・・・こんな・・・こんな子供に・・・」


自分が情けなくなって膝をつき、本気で泣いた。


~~~~


話しかけられている。僕が{何か}に。


それに気付けるようになったのは生まれて半年がたったころだった。

ただ、その時は何を考えていたのかというと。


うるさい


ただそれだけだった。


そして僕はその声を聞きながら育った。


それのお陰かは分からないが僕は言葉を話せるようになっていた。


どのくらいかというと小学一年生並、これはどう考えても周りからみたらおかしいことだった。


そこからだ。僕が天才扱いされたのは。


でも、僕にはそれが当たり前のことだった。


~~~~


産まれた


僕のではない。


目の前の妊婦のだ。


やっと久々に話しができそうだ。


これまでずっと一人になっていたから・・・えーっと1年もたってないか。


それにしても産まれたんだ。


育ててやる。


俺が、この力で。


そして・・・・しまった・・・を・・・・・・・やるんだ。


その子はとても綺麗な笑顔でこっちを見てきた。


ははは、可愛いなあ子供は。


俺は目を閉じ、願った。


そして1年程度開けていない口を開いて言った。


「この子が俺の救世主になってくれますように」


そのまま目をあけずに数時間ひたすらそのことだけを考え続けた。


~~~~






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