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先輩後輩漫才台本   作者: 悪霊
4/4

温泉

「はい。どーも!!」



「どうも」



「やると言いながら3カ月ぐらい間が空いてしまった先輩後輩漫才です!」



「決してサボっていたわけではありません。ただ、忘れていただけです」



「なお悪いだろうが!」



「仕事が忙しくてっというのもあったりしますね」



「お前仕事そんなにやってないだろうが」



「失礼な。三人でチーム組んでますけど全体の量のうち5割は私が担当していますよ」



「お! そりゃすごいな」



「残りの25割は他の二人が頑張ってますけど」



「全体30割なのかよ!!ていうかその計算だとお前他の二人の半分も仕事してないじゃねえか!」



「いつも300%で頑張ってます!私の会社をどうぞよろしくお願いします!」



「宣伝するな!!」



「いやーでもこうも忙しいと疲れがたまってしまいますよ」



「ああ、まあな。そういう時はゆっくり温泉でも行けばいいんじゃないか?」



「温泉ですかー。でも私はどちらかというと入るよりやる方が好きです」



「いや、スポーツの話じゃないんだから!やるってなんだよ!」



「温泉の経営主をやりたいです!なので先輩!お客さんやってください!」



「あ、俺が客になって出迎えるってことね」



「そうです!失恋の痛みを癒して見せます!」



「別に最近はふられてねえよ!もっといえば出会いもねえよ!」



______________________________________________________________________________




「あーここが今日泊まる温泉宿かー。うん。けっこう大きいし、いいところそうだな。はいろう」ガララ




「はい。いらっしゃいませー」



「あれ?あなたは?」



「ここの宿の経営主です」



「あれ?こういうお出迎えと買って普通おかみさんとか大おかみさんとかがやるんじゃないんですか?」



「よくぞ聞いてくれました! 私ども上の人間がこうして直にお客様に触れることで経営方針を常に見直していこうという精神を当宿はとっているのです」



「おーなるほど」



「あと、私が女装して女将役やるのが嫌なので」



「メタネタはやめろ!」



「部屋へお通しします」



「おーいいですね。テレビも冷蔵庫もちゃんとついていますし」



「さて、注意事項の説明ですが」



「あ、はい?」



「まず、こちらの冷蔵庫ですが」



「あ、わかりますよ。一度中のもの出すと料金が発生しちゃうとかですね」



「(パカ) 中がテレビとなっております」



「なんでだよ!!」



「うちのテレビは冷やさないと一時間ぐらいで溶岩より熱くなってしまうのです」



「買い変えろよ!! もしくはどこかに売れ!!」



「そしてこちらのテレビですが」



「なんですか?こっちが本当は冷蔵庫とかですか?」



「こちら電子レンジとなっております」



「まさかの真逆!? というか冷蔵庫はどこにあるんだよ!」



「あのーお客様」



「なんだよ?」



「あまり部屋の中で飲食されますとそうじが面倒なのでお控えくださるとありがたいのですが」



「経営方針見直せ!!」



「うちは温泉の質で勝負しておりますので」



「ほほう。じゃあここの温泉はどういう効能があるのですか?」



「肩こり、リュウマチ」



「ほうほう」



「油シミ、汗も」



「……ん?」



「それからうっかり落としてしまった醤油の汚れ。ペットのおしっこなどに効果があります」



「洗濯じゃねえんだよ! 油とかペットのおしっことか普通に洗剤で洗えばなんとでもなるだろうが!」



「あと副作用がありまして」



「温泉の副作用と聞いたことないんだけど」



「女性に振られやすくなります」



「へ?」



「ですからお客様のように失恋の経験が多い方は、当温泉に入っていただいて御帰りになった後女性に振られた場合はああ、ここの温泉のせいで振られたから俺が悪いんじゃないんだと心の慰めにしていただければ塔宿としても冥利に尽きると言った具合です」



「どんだけ負の気づかい方してるんだよ! 精神面じゃなくて体の疲れの方をとれよ!」



「まあ疲れは取れますよ。女性に付かれはしませんけど」



「腹立つな。もういい。食事はどうなってるんですか?」



「塔宿はですね。新鮮な山の幸を……」



「お、期待できそうだな」



「使った餌から釣られた新鮮な魚……」



「ん?」



「から作られたかまぼこを……」



「おーい」



「餌にしている農家の家畜たち……から加工された牛乳や健康食品……を飲んでいる子供たち……の地元にある工場から生産されているたこやきです」



「周りくどいわ!! しかも最後から二つ目の時点でもう今までの下りから素材関係なくなってるじゃねえか!」



「ちなみに明日は焼きそばで、明後日はうどんなーまいどおおきにー」



「適当な関西弁入れてごまかすな!なんなんだよ!ここの温泉宿は!設備もダメ!食事もダメ!温泉もダメ!全部だめじゃないですか!そもそもあんた本当に経営者なんですか!?」



「やだなあ。お客様」



「なんだよ?」



「私はただ一般社員ですので立場的には一番下ですね」



「今までの全部ウソだったのか!! なんで嘘ついたんだよ!」



「エイプリルフールなんですから多少の嘘はお許しください」



「多少の嘘じゃねえよ! しかも今日は四月二日だ! いい加減にしろ!」

なお、家畜がかまぼこを餌にしてるかどうか知りません。


仮に毒だったとしても責任はおいかねますのでご了承ください。

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