ハロウィン
先輩、俺いろんな子供たちになってハロウィンでお菓子をもらいたいです!
じゃあ、俺が配る人やればいいんだな。
一人目。
「さあー。今日は待ちに待ったハロウィンだー。お菓子もたくさん用意したし、子供たちよ。いつでも来い」
「えーと。お菓子をもらえる家はここかなー」
「お、さっそく子供が来たな」
「でも、ここの家ボロッちいなー」
「え?」
「飾り付けも電飾が一色しかないし、なんか飾り付けも紙しか使ってないし。あーそういえばここのご主人、最近奥さんに逃げられたって話を聞いたような。他の家に行こうかなー」
「……」
「いや、でもこんな人の所でも、年に何回かは子供に慕われたいんだろうなー。やっぱり気持ちを汲んであげないとダメかな。うん。よしお菓子をもらってあげよう!
すみませんー」
「やる気なくすわ!何、人の家の目の前で家庭事情ほじくり返してくれっちゃってんの?」
「あ、こんばんわー」
「はい。こんばんは。今日はお岩さんの恰好で来たんだね。なんかちょっと西洋の雰囲気に似合ってないけれどもね」
「えーでもお化けと言ったらこれって。昨日おばあちゃんが言ってたよ」
「おばあちゃんに西洋の行事聞いちゃだめだから!それよりもほら。
合言葉があるでしょ。お菓子もらえる。それを言いなさい」
「えーと。きっと奥さんは帰ってきますよ!」
「むしろNGワードだ!それは!ていうか重い設定にするのはやめろ!早く言いなさい」
「お菓子くれないといたずらするぞー」
「はい。よくできました」
「具体的には、〇〇さんが奥さんに逃げられたってネットに書きこむぞー」
「たちが悪すぎるいたずらだろ!お菓子上げるからやめなさい!」
「わー飴玉だー。いろんな色があるー」
「はっはっは。そうだろ綺麗だろ?」
「着色料とかすごい使っているんだろうなー」
「夢のないこと言うのはやめなさい」
「いっそこれを玄関に飾って電飾にすれば?」
「べたついてしょうがないだろ!もういいから早く行け!」
「ありがとうー!また来年も来るからねー。奥さんはもう来ないだろうけどー」
「二度と来るな!」
二人目
「全く最近の子供は……。」
「(ピンポーン)」
「お、誰か来たかな?」ガチャ
「ドゥハハハハハ!!吾輩だ。お菓子をくれなければ蝋人形にしてやろうか!?」
「なんでその人ハロウィンでチョイスしちゃったんだよ!」
「10万近く生きていればもうお化けみたいなもんじゃない?っておばあちゃんが」
「むしろなんで世代的におばあちゃんがその人知っているんだよ!いや若い人でもあまり知らないけど!まあいいや。今のが合言葉で。はい。君にはチョコレートをあげよう」
「ドゥハハハハハ!礼を言う!ドゥハハハハハ!!」
「……他のネタはあまり知らないんでしょ」
「チョコレート人形にしてやろうかー!ドゥハハハハハ!」
「もうわかったから。変な変化球投げなくていいから。帰っていいよ」ガチャ。
三人目
「すみませーん」
「お、ようやく普通の恰好をしてきた子がきたな」
「こんばんわー」
「はい。こんばんは。しかし、すごい完成度だね。ミイラ男のようだけど、血のりとかも変にリアルだし……ていうかポタポタなにかおちてるし……」
「あ、最初、スケルトンに仮装していたんですけど、途中ちょっと事故ってちょうどよかったのでミイラ男になりました」
「どんだけこのイベント真剣にやっているんだよ!
お菓子もらっている場合じゃないでしょ!早く病院行きなさい!」
「嫌です!西洋のお化けが迂闊に病院に行ったら、体の隅々まで人体実験されて、二度と帰って来れなくなるって」
「いや、そんなこと言っている場合じゃ……」
「おばあちゃんが言ってました!」
「このあたりのおばあちゃんは一体どんな趣味をしているんだ!じゃあもうお菓子!これあげるから早く病院行きなさい!」
「あ、合言葉忘れてました。デッドオアアライブ?」
「トリックオアトリートだろ!リアルすぎるから早く病院行け!」
「ありがとうございますー」ガチャ。
四人目
「はぁーなんか疲れたなー今日はこのあたりにしよう」ピンポーン
「ん?誰だろ?はーい?」
「トリックオアトリート!」
「あーもうお菓子はないんだ。ごめんね」
「あ、おじさん。僕が見えるんだ?」
「え……?ま、まさか、本当の幽霊?」
「そんな目の良いあなたの視力をずっと維持させたいですよね?こちらのサブリメント!今ならなんと格安価格で」
「訪問販売かよ!」
「お菓子一〇〇個と交換でもらえます!」
「いい加減にしろ!」
季節に乗ってみましたがまだまだ面白くできたかもしれません。
場合によってはリベンジしたいと思います。