軍師
先輩、俺軍師になりたいです!
そうか。やってみよう!
ときは戦国時代……。戦いは日に日に厳しさを増していき、それはこの小さな国の小さな城も例外ではなかった……。
「殿!敵はもうすぐそばまで迫ってきております!」
「うむ。して、どのような状態だ?」
「東の方に三千、南の方に四千」
「ふむ」
「そして北の方に二人います」
「ん?なんだその二人っていうのは?」
「私を振った元カノとその彼氏です」
「どうだっていいわ!そんなこと!」
「私にとっては一番の敵なんです!」
「知らねえよ!お前個人の問題だろ!」
「わが軍すべてで囲い、鉄砲で蜂の巣にしましょう!」
「どんだけ恨んでんだよ!ほうっておけ!敵の部隊の報告をしろ!」
「そして西の方に三万。どうやら東と南はおとり。西から敵は攻めてくるものと思われます」
「ふむ。して、いかようにすれば勝てるか」
「勝率は決して高くありません。ですが、私の策を用いれば勝利は決して夢事ではないかと」
「よし。お前の作戦を聞かせてみろ」
「まず人をたくさん集めます。農民、兵士問わずです。」
「ほう」
「そしていっせいに空に向かって祈り、雨乞いをはじめます」
「は?雨乞い?」
「あとはしばらくしたら敵の将軍に雷が落ちることを祈ります」
「他力本願すぎるわ!」
「おそらく2%ぐらいの確率で雨は降ると思われます。そこから雷がおちるのを祈りましょう!」
「しかも前提条件から確率が低すぎるだろ!ちゃんと策をたてろ!」
「やはり数を覆すには水攻めしかないと思われます」
「なるほど。しかし、城を落とすには水攻めは有効と言われているが、城を守るのに水攻めはやや難しいのではないか?」
「心配はありません。私の立てた水攻めの策は既存の水攻めと大いに変わるものですから」
「ほう」
「まず、綺麗な女性をたくさん連れてきます」
「……一応最後まで聞いてやろう」
「集めた女性にあの男を寝取ったものに賞金を与えると伝え、北へ向かわせます。
そしてめでたく彼女は僕の元へ戻ってきます」
「水ってそっちの意味か!?だから元カノのことは放っておけって言ってんだろうが!
目の前の敵に集中しろ目の前に敵に!」
「しかし、敵の兵、約四万にたいし、わが城に残っている兵はわずか五千。護りきるのはおろか、逃げることすら難しい状態です」
「わかっておる。しかし、儂にもまだ野望は残っておる。ここで死ぬわけにもいかない」
「はい。わかっています。私も殿の野望を果たすためにここにいるのですから」
「軍師……」
「殿の野望……それは。
携帯のアドレス帳に千人登録することですよね!」
「違うわ!そもそもこの時代に携帯なんかないだろ!」
「今、両親入れて二人ですね」
「すげえ寂しいやつみたいになってんじゃねえかよ!
ていうか二人でいいだろ!気を利かせろよ!
そうじゃなくて!儂の野望は天下統一することじゃ!」
「えーと、責任転嫁統一ですか?」
「天下統一!!悪いこと全部一人のせいにするみたいな漢字をあてるな!すげえ小物みたいだろ!
それよりいい加減に何か策を考えんか!」
「ふむ。ここは地下をもぐるというのはどうでしょうか?」
「地下っていったって、そんなもの急に掘れるわけないだろうが」
「大丈夫です。最近、大量に穴を掘りましたから、そこから適当な人数を集め、横に掘ればうまくにげることができるでしょう!」
「おお!でかした!でもなんで大量に穴を掘ったんだ?」
「この城の地下にある埋蔵金を探すためです!」
「埋蔵金な……。ってそれ城の地下の宝物庫のことじゃねえか!」
「……金があれば女も戻ってくるかなーと」
「どんだけよりをもどしたいんだよ!そんなことより!さっさと穴に向かうぞ!」
ガタガタガタガタ!
「ああ!?なんてことでしょう!?もう敵はこの部屋の前まで来ているみたいです!」
「くそ!?おのれ~。軍師!なんとかできぬのか?」
「仕方ありません!こうなったら最後の手段です!」
「おお!?どうするのだ?」
「この爆弾を使って周りのやつらを木端微塵にしましょう!」
「なんと……ううむ。城にはダメージが入るが、背に腹は代えられん!やってくれ!」
「よし、火をつけて……。あれ?あれ?」
「どうした?……ってこれ湿ってんじゃねえかよ!!どうなっているんだ!」
「あ、元カノと別れたとき、涙をこれで拭いたんでした」
「いい加減にしろ!!」
えーとどうもすみませんでした。
せっかく作ったネタを腐らせるのもどうかなーと思い、とりあえず最低限書ける体裁を整えてここに掲載します。