一章まとめ
一章のまとめです。
ただ詰め合わせただけなので、読み返すときや、一気に見たい時に利用してください。
茹だる様な暑さの中
俺、才賀那由多は無事十七歳の誕生日の朝を迎えた。
十七歳になった事は勿論嬉しいが、今俺の頭の中を埋め尽くしているのはゲームのことだ。
ゲーマーである俺は一にも二にもゲームの事が大事である。
俺の部屋を見渡せば、本棚…を、目的として作られた家具の中にはゲームソフトがビッシリと並べられており、クローゼットを開けると、服が数着端に追いやられ、大量の段ボールがドーンとスペースの大半を占めている。
その中には勿論ゲームが入っているのだが、二十一世紀初期頃に発売されたような、今ではプレミアが付いているハードまである。
この時点で俺がどこまでゲーマーかおわかりになるだろう。
そして、我々ゲーマーにとっては誕生日は只の「自分が生まれた日」などではない。何故なら殆どのゲームで誕生日イベントがあるからだ。
だから俺は朝起きてから何もせずに、ゲームをし続けるという不健全な生活を送ろうと決めていた。
--------------------
そういえば昔は「学校」という、毎日同じ年代の奴等と一緒に授業を受ける教育機関があり、今はその"夏休み"なる期間に、当てはまるらしいが、何が悲しくてわざわざ家から出なくてはならないのだろう。
現在ではVR世界、すなわち仮想現実世界に行くことが出来る機械「AD」が存在するから、講義は全てVR世界で受ける事が出来る。
だから一日中家に居ても問題ないのだ。
ADはリクライニングチェアの様な大きいもので、ADに座って、頭にヘッドギアの様な物を被り、音声認証で登録した言葉を言えば、もうそこはVR世界だ。
VR世界では買い物やスポーツ、映画鑑賞やコンサートなどが楽しめる。
ADでは勿論ゲームも出来る。朝からやろうとしているゲーム達もADのソフトだ。
数あるVRゲームの中でも今俺の心を捉えて離さないのが、今ログインしようとしているゲーム
VRMMORPG「P・W・О」だ。
--------------------
P・W・ОとはADに搭載された技術「アナザーダイブ技術」という、まぁ、なんの捻りもない名前なのだが
この技術が世界を変えた
…らしい
らしいというのはこの技術が開発完了したのが俺が生まれる前の2050年だったから、この技術が確立される前の世界をあまり知らないし、知る必要も無いだろう。
ゲームさえあれば…
っと、話がそれたが、とにかく凄い技術なのだ。
「アナザーダイブ」という名前が示す通り
another worldへすなわち別世界へ
diveすなわち行く事ができる。
つまりは仮想現実世界に行くことが出来る。
この技術は脳が送る様々な命令を―生命維持に必要な命令を除き―インターセプトし(端的に言うとパクって)、VR世界の中で体を動かすためにそちら側に流しているのだ。
--------------------
さて、ADの説明が終わったからP・W・Оについて説明しよう。
似たような説明方法になるが
P・W・О ―parallel world online―とは、ファートル社という新進気鋭のゲーム会社が2060年にリリースした
VRMMORPGすなわち
「仮想現実多人数参加型ロールプレイングゲーム」
というジャンルに分類されるゲームだ。
―parallel world online―という名前が示す通り
parallel worldすなわち平行世界の様な世界をこのVR世界に!
というのがコンセプトである。
何故リリース後十七年間もの間遊ばれ続けているのかというと、現実世界と変わらないように暮らすことができるからだ。
マップは現実世界のミニチュア版(距離は三分の一程)、それもかなりの細部まで再現されている。
RPGであるから、モンスターを倒したり、更には商人プレイをしたり、鍛治職人をやってみたり…など、かなり自由度が高い。
結婚して婚約者と暮らすことなども出来る。
こんなにも自由度が高いのは運営が、アイテム、モンスター、禁止事項等の基本的な事を定めた後に、プレイヤーに放り投げたからだ。
勿論定期的にイベントは開催するし、マナーの悪いプレイヤーにペナルティーを課したり等はする。
しかし、それくらいなのだ。
アイテムは相場制、盗賊プレイも公認である。
気が置けない仲間達とギルド設立もでき、ギルドで活動することも出来る。
中にはギルドシステムを利用して、株式会社のようなものを作っているプレイヤーもいる。
だから俺を含め、多くの人々の心を掴んで離さない。
--------------------
P・W・Оにある職業には
メイン職業
があり
他にも
サブスキル
というのもある。
メイン職業の方は、下位・中位・上位・最上位職がある。
下位職は前衛職や回復職等、主な戦い方で分けられる全五種の職種に、それぞれ三種ずつの職業があり、計十五種類ある。
中位・上位・最上位職はそれぞれ七種・五種・二種ある。
メイン職業の方は割とどうでもいいので割愛して、またの機会に…
だが、P・W・Оを語る上でサブスキルの存在は忘れてはいけない!
前出の自由なプレイの為に大いに役立っているからだ。
鍛冶・木工職人・商人
等の定番なものから
ちょっと変わったものでは
姫・牧師・教師
等が存在する。
確実にネタとしてしかみられていない職業だと
ゾンビ・ラッパー・オタク
等々…
なんかもう…好き勝手やっちゃってるのである。
ともかく量が半端なく、千種以上も存在する。
俺も名前しか分からないのだと、八百種ほど、詳しい効果が分かるのは、半分の五百種ほどしかない。
--------------------
まだまだ魅力はあるのだが、全部語ろうとすると何時間も経ってしまうから、ここら辺で辞めておこう。
え?何?まだ聞きた…
そんなこと言ってない?そうか、聞きたくないのなら仕方が無い
ただ、何時か必ず魅力について語ってやるからな!
もとい
件のゲームであるP・W・ОをADにセットし座った。
何度見てもこのADというものは素晴らしい!
長時間座っていても疲れないように設計されたこのフォルム!
そして座る部分には高級感のある牛本革!
ダイブ中は同じ体勢でずっといるので、血液が止まらないように、定期的に行われる自動マッサージ機能付き!
それから…
おっと、また暴走してしまった。P・W・Оに早くログインせねば皆が待っている。
この場合の皆とは、俺のゲーム仲間である。
現実世界で遠く離れていても時間の都合さえつけば何時でも会える気心の知れた存在。
お互いのリアルは知らないが、親友同士なのにはかわりはない。
ADを起動させるためには登録した言葉を言わねばならない。
せっかちな正確である俺は
「起動」
とただ一言だけ言った。
そうすると真っ暗な世界に、意識だけが放り込まれたような感じになる。
初期起動空間だ。
そこにはメニューウィンドウが沢山並んでおり(殆どがゲーム関連だが)、その中のP・W・Оのウィンドウを選ぶ。
個人個人の脳波がID代わりだからすぐにP・W・Оが起動される。
起動までの数秒間、これから何をするかの頭の整理をしていた。
すると…………
………
……
…




