人外カフェ
最近できたという話題の店に仕事で訪れた男性俳優は驚愕した。
「おかえりなさいませ、旦那様。」
そんなオタク向けカフェのお決まり台詞で出迎えてきたのは、鳥頭の執事だった。
「タカ?」
「ワシです。」
「えー、というわけで。いくつか質問をしていきたいのですが、よろしいでしょうか。」
「はい。私でよろしければ。」
鳥頭ことワシ男は、どうやってできてるのか謎の羽根の手で器用にティーカップを置いて茶を注いでいく。
それにしてもよくできている。
まわりには他にも着ぐるみや紙袋被りににテレビ頭と、多種多様な従業員がいた。
統一感があるようでない、カオスだ。
軽く話は聞いていたが、こうして実際に来てみるとかなり異質な空間だった。
「いろんな方がいますね。」
「人の顔でなければ良いという基準なので、ヘルメットや狐面の方もいますよ。尻尾をつけたりと凝った人もいますが。」
あなたの頭や羽も相当凝ってると思いますが。
「凝った人もいるということは、個人で準備してるんですか?」
「一応店にもいろいろ置いてますが大半は自前、といったところでしょうかねぇ。」
意味ありげにワシ男はそう言った。
この中に本物の人外がいるとでも?いや、あくまでも17才です!と頑なカフェもあるのだし、そういう設定を突き通したいのかもしれない。
「ですが、よくこんなマイナーなジャンルに踏み込みましたね。お客は来るのですか?」
「ふふ、たしかに少ないかもしれませんが需要はなくはないですよ。それにマイナーだからこそ来てくれる客も多いというものです。」
「では、そういうのを好む客が多いのですか?」
「いえ、これがさまざまなのですよ。たしかに人外を求める方もいますが、物珍しさに来る方もいます。なにより顔色を伺う必要がないのが好まれると言ってくださるお客様もおりました。」
「なるほど。」
「逆に言えば、こちらが雇う従業員も顔に拘る必要がないということですね。やる気さえあれば誰でも歓迎いたします。」
「ほう。」
たしかにそれは便利だ。体型も、キグルミなら気にすることもないだろう。
中には執事服がかっこいいすごいラインの良い体型の帽子頭もいるが。
「はい、これで終了になります。お疲れ様でしたー。」
スタッフに誘導され、一息つく。
飲んだ缶珈琲より、あそこの茶が旨かった。
正直、最近疲れている。仕事が少ないから探すのとか苦労してるし、芸能人だとバレると騒がれるし。
「お疲れ様です。」
最後の挨拶に、先ほどのワシ男がでてきた。いつまでかぶっているのだろう。
「よろしければ、またお越しくださいね。いつでもお待ちしています。」
そう言うと、立ち去るワシ男。
気のせいだろうか。ウインクをしたように見えた。
、、、仕掛けか?
もらった紙を見ながら、深く考え込んだ。気にせず働ける求めていたものだった。
そして翌日、再び訪れることになる。
「お待ちしておりました。」
すべてをお見通しだったかのような態度で、ワシ男は狼の被り物を手渡した。
「あなた様にはそちらがお似合いかと。いかがですか?」
「あぁ、それでいい。」
こいつに渡された紙はアルバイトについての募集と仕事内容や給料のチラシだった。
顔が見えなきゃ相手にばれることはないだろう。
そう、これは芸能人でも気にせず働ける、まさに求めていたものだった。
慣れてないから挑戦にもなるが、悪くない。
従業員が出揃い、開店となった。
「おかえりなさいませ。どうぞゆっくりお過ごしください。」
とりあえず短編で




