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詩集

ノイズ、希望、未完。

作者: ロースト

ノイズと希望と未完の天使


この世は乱れている。

世界中に響くノイズ、壊れた醜い世界、この世界に希望は無い。


元は美しい世界。

優しく流れる河のせせらぎ、生命感ある自然の空気

世界に色をもたらす木の葉、生きとし生きるものの魂

そんな美しい世界。


世界は滅びを迎えようとする。

大地は怒っておられる。


人間は知らない理解しない。

大地の偉大さを、自然の恐ろしさを。


世界は着実に滅びに向かう。

一歩一歩、でも確実に。

今この瞬間さえも、絶望に怯えなければ。


世界は示さない。

世界は人間の敵


人間が愚かだから、世界は人間に味方しない。


だから作ったんだ、希望を。

俺の使命だったから。

天使を誕生させたんだ。

それが間違いだったんだ。


どこから間違ったかは分からない。

どこを踏み間違えたか分からない。


後悔がどこまでも付きまとう。

俺の作った天使は未完成だった。


暴走、そこで気が付いた。

おれは過ちを犯してしまったことを。


未完の天使を作ったことがおれの罪。

だから神に死刑にされた。

だから俺は未完の天使によって殺される。


その後の世界が希望である未完の天使に殺されることを知らず。

その後の世界が希望である未完の天使に壊されることを知らず。


俺は死に行くその中で

愛しき人を想い、愛しき天使に壊されることを想い。


ただただ深遠の淵に、ただただ闇に招かれ、ただただ抗う事もせず、

ただただ流されるままに、ただただ死んでゆく。


自分を殺してくれた天使に感謝して。

自分を壊してくれた天使に感謝して。


自分の作った未完の天使に殺される事を甘い誘惑として。

自分の作った未完の天使に壊されることを甘い誘惑として。


最後の至福は愛するものに殺されるということ。

最後の至福は愛するものに壊されるということ。


その後の世界が希望である未完の天使に殺されることを知らず。

その後の世界が希望である未完の天使に壊されることを知らず。


この身体を支配する死という絶対を感じ、

だんだんと死んでゆくのをたっぷり感じ、

だんだんと意識が薄れる事を愉快と感じる。



感覚が麻痺し、脳内麻薬が思考を停止させる。


痛みも何も感じない。


ただ、心臓が、身体の機能が、どんどん低下してゆく。


止まるのをただひたすらに待つだけだ。


僕は未完の天使によって

世界が破滅へと傾き始めた事を知らず、死んでゆく。


深い深い闇の底まで沈んでゆく。


神は止めない。


不干渉で世界が闇に染まるのをただひたすらにみる。

総ては神の思うままに流れていく。


すべては流れあるように、

取りとめもなく、それでいて、水のような、


世界は乱れている。

世界中に響くノイズ、壊れた醜い世界、この世界に希望は無い。


未完によってもたらされたもの。

それは秩序であり、破壊であり、終焉であり、

そして、乱れていない、流れあるもの。


それは、ただひたすらに

世界をシニカルに嘲笑っている。


現在の世界構成は、単純である。

ノイズと、

希望と、

未完の天使と、

破壊、

そして―――

シニカルに嘲笑う、

終焉である


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