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元社畜の転生皇女、ストレス値が見えるようになりました  作者: ペリーヌ
第四章 ブラック騎士団 ふたたび
24/24

24 内発的動機づけと組織的透明性

更新遅くてすみません。

「まずは皆さん、女性は好きですか?」


私が大真面目に周囲に問いかけると近衛隊長は噴き出した。


「ブハッ‼……っ!嫌いではないですね」


近衛隊長が笑いながら言ってくれれば周囲の騎士達もお互いの顔を見ながら遠慮がちに頷いてくれる。


「ありがとうございます。以前私が行った騎士団アンケート、無記名制にしたのが功を奏したのか皆さんかなり正直に答えてくださったように思います。そして騎士が騎士団に入った理由‼栄えある第一位!」


ババン!と口で効果音を出しつつ私は高らかに宣言した。


「かっこいいから‼そして僅差であえなく優勝を逃した理由第二位がモテたいから!というものでした」


手元の資料を読めばすぐに分かるのだが、あえて言葉にする。

皆渋い顔をしてはいるが心当たりはあるようで、資料を見ないようにしている。


ちなみに3位は特に理由なし(選択肢が無かったなども含む)、4位は平民でも給料が良いから、5位は親に勧められてというものだった。


「皇女殿下、騎士がモテたいと思っているから偶像化してやろうと?」


「いえいえ、もちろんそんな安直な考えではありません。皆さん資料の三枚目を見ていただけますか?」


資料の三枚目にはカフェの店主の協力により集まった騎士団に対する不満が並べられている。

そしてその理由はほぼ同じだった。


「自分達の金がどう使われているのか分からない、騎士団は貴族の護衛をしているだけで自分達にはなんの還元も無い、これが主な騎士団への不信感の理由でした。これらの情報から皆さんはどう思いますか?」


街の治安は憲兵や自警団が守るし、要人の屋敷は衛兵が守る。


騎士団は国王の直下部隊として主な仕事は訓練だが、要人の護衛、城の警備、法の執行をすることもあれば要人の調査、憲兵が調べられない組織調査、摘発なども任されている。

が、正直街の人からすれば何をしているのか分かりにくいのだ。


「まぁ致し方無いでしょう」


騎士団長が言えば周囲の騎士達も頷いていく。


「えぇ、騎士の偶像化などをして尊ぶべき騎士の位を蔑むことは断じて控えるべきでしょう」


ふむふむと聞きつつ私は意識的にOODAループを回すように促していく。

OODAループの二つ目、Orient (状況判断)に移行する。


「騎士団長達の考え方も分かります。騎士は尊ぶべき位ですし、崇高であるべきものです。ですが不思議には思いませんか?騎士のほとんどはカッコイイ、モテたいという理由で騎士になったのに対し、なぜ、街の人は何をしているのか分からないというのか」


注意深く周囲の人の顔を見ながら私はそのまま話を続けた。


これは経験則だが、頭の固い人、意思が強い、というか意固地な人間を説得するときは彼ら、彼女らが使っている単語をそのまま使い、とりあえずは貴方の意見に反対していませんスタンスをとる。


「情報は点で見るのではなく線でつないでこそ生きるものだと言う人もいます。今回のことに照らし合わせると、騎士達が目指した理由のカッコいい、その情報源はほとんどが印象によるもの、それが肝だと私は考えます」


「印象?」


「はい、騎士は物語にも多く出てきますし、国民からすれば式典でみかける制服姿はカッコイイですし、何より雇用元は皇族です。憧れるなという方が難しいでしょう。ですが、毎月税金を取られる国民からすれば印象だけではなく自分達にとっての実利が欲しいというのもまた納得できる理由だとは思いませんか?」


「まぁ、確かに……」

「それはまぁ、そうでしょう」


「だからこそ、騎士団に求められるのは騎士団という組織がどういうものでどんな実利があるのかというのを伝えることだと思います。そのために騎士を知ってもらう活動と騎士団の印象操作をしませんか?というのが私の提案です。


騎士団の仕事遍歴の様な本を出版し、騎士団で新聞記者からの取材を受け、モデルに払う金さえない画家のモデルになることで周囲に騎士団を認知させ、周囲から羨望されれば騎士達は自分は羨望されるような人間なんだとまた士気が高まります。いかがでしょうか?」


途中からモテることと羨望を若干すり替えて言っているがこれくらいはイイでしょう!

モテたいですか?にはい、と答えられる人はここには居ないだろうし、プレゼンの始めは度肝を抜いて話を聞いてもらうことに注視したい。


そして画家や記者によって騎士個人が取り上げられるようになれば自然とその騎士がモテてくるのも事実。


周囲を見渡して聞けば、全員が黙りこくっているなか、騎士団長と目が合った。

彼もまた神妙な顔をしているが、資料に目を落としつつフッと笑った。


「俺は騎士である父の話が好きでした。どの物語よりも騎士である父はカッコよかった。だからこそ、俺も騎士に憧れた……俺は皇女殿下の意見に賛成です。もう一度、騎士を誰もが憧れるものに戻したい」


騎士団長が率先して言ってくれれば、近衛隊長も頷く。


「我が隊のブレッドが泣いて喜びそうな企画ですね。良いでしょう、やりましょう」


「ハハッこれは理由も言う流れでしょうか?騎士が羨望されて困ることはないでしょう?」


続々と私の企画に賛同してくれて、結果多数決で騎士の偶像化計画は実行されることとなった。


OODAループの三つ目、Decide(意思決定)である。


ちなみに、この騎士団のことを知ってもらおうという企画は紛れも無いブレッドの話を聞いたモテたいけれど騎士というだけではそんなにモテないという話を聞いて思いついたものだった。







会議が終わり、騎士団長と共に南宮の廊下を歩いていると目当ての人物はすぐに顔を出した。


「すごく会いたかったデス」


ちょ、直球‼


私達が扉をノックする前に顔を出したマシャドさんは、開口一番嬉しそうに金の目を細めて言ってきた。

心臓がドキドキするのを自覚しながらも、出来るだけ平静を装ってお礼を言う。


私達は友達、私達は友達‼


何となく彼からの好意は感じているし私も正直まんざらではないけれど、お兄様の言うように、マシャドさんと結ばれるのは難しいと思う。

どうあっても次の国王のアマデウス殿下と険悪になるのは困るし。


「ありがとう、少し話があるんだけど今大丈夫?」

「えぇモチロン、どうぞ」


大きなヒョウ耳がピクッと動いて、そのまま私達を中へ通してくれる。

今考えることでは無いのにあの耳の触り心地が蘇ってしまう。


大きなヒョウ耳は柔らかく、細かい毛はツヤツヤした極上の触り心地だった。

肉球は猫のものよりも張りが強くて固い。

ずっとプニプニしていても飽きのこない最高の弾力だ。

顎の下を撫でれば地響きみたいにゴロゴロ言っているのもとても可愛かった。


あの体験をもう二度と出来ないと思うともっと触りまくっておけばよかったと思ってしまう。


「マシャドさん、嫌だったら断ってもらってもいいのだけど、ウネマ王国人のこととか今まで戦争で勝ってきた人達のことを教えてほしいの」


「……それは、帝国騎士団ヲ強くするためデスか?」


「そう、でもウネマ王国と戦争をしようとかそういうわけではなくて‼」

「イイですよ」


「あくまでもウネマ王国とは平和的に……え?」


まだ具体的なものは何も言っていない。

この提案を飲んでくれるかどうかは、具体的な話を詰めてからだと身構えていた私は拍子抜けしてしまう。


マシャドさんは金の目を細めて猫が悪戯(いたずら)を計画しているかのような不穏な空気を出していた。


「ここの騎士には強くなってもらわナければ困ると思っていたので丁度いいです。協力するので騎士団の指導者全員ト一度手合わせサセテクダさい」


不敵な笑みを浮かべる彼の視線の先は騎士団長。

マシャドさんのストレス値を見れば13から1つ減って12に変わったところだった。


うまく書けているか分からないので補足です。

内発的動機づけ(ザックリ書くとなんでそれをやりたいのかなど)でやる気を引き出すと共に周囲から羨望されることによりピグマリオン効果(周囲の期待に応じて良くも悪くもなってしまう心理効果)が働き、騎士として士気が上がる!という感じです(;^ω^)


面白い!続きが気になる!と思っていただけたらやる気につながるためブックマークや評価をお願いします‼<(_ _)>


既にしていただいた方、ありがとうございます‼


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