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イタチの短編小説

鎌、全覧ならざるを得ず

作者: 板近 代
掲載日:2024/05/03

 鎌(れん)、全覧(ぜんらん)ならざるを得(え)ず。


 残(ざん)するは刑(けい)。鈍(どん)しては礼(れい)。


 烙印(らくいん)十(とお)がされおりて、裁(さば)きすけらぬ道色(どうしき)知(ち)れ者(しゃ)がちりぢり形(なり)て咽(むせ)ぶ哭(な)く哭(な)く渡(わた)り鳥(とり)の果(は)て。

 夢(ゆめ)、芽(が)か、破(やぶ)れた雅(みやび)のかいざいつちて。




 金(きん)、輝(かがや)きざるを得(え)ず。


 夢見(ゆめみ)るは(は)罪(つみ)。座(ざ)しては(わ)伏(ふく)。


 最(さい)、避(さ)けの嘆(なげ)き日々(ひび)知(し)らず刺(さ)す毒(どく)の呪詛(じゅそ)なりて臥(ふ)せぶないなぜの我(われ)が身(しん)川沿(かわぞ)いの異詞(いし)。

 爪(つめ)、土(つち)か、崩(くず)れたしずかのさいざいに轟轟(ごうごう)て。




 鳥空概(ちょうくうがい)生(う)ましてれから、今(いま)で幾(いく)ら、までぞ幾(いく)ら数々(かずかず)鳥(とり)死(し)したか死(し)しずしか。

 誰(だれ)はかり、誰(だれ)そはかる。

 すいずいの完(かん)、墓在遺(はかあい)て、逆在遺(さかあい)て、救(すく)いのテい。


 今日(きょう)の気(き)なき人(ひと)に、亜斜奴螺(あしゃどら)の赤(せき)見(み)えずしか。

 ただ其(そ)れ人(びと)死寸(しずん)の尾(お)に対(たい)す血(ち)の侮辱(ぶじょく)とえられらずしか、己(おの)がばに宇宙(そら)挑(いど)む蟲(むし)を才人(さいじん)とすち。


 狩(か)れ狩(が)れ。


 其(そ)れ、貴様(たっとざま)浴(あ)びけものあらず、我(が)が血一雫(ひとしずく)たりともさいざせず。決(け)してさいざせず、化(け)高(だか)き血(ち)さいざせず。


 刺(さ)す毒(どく)の呪詛(じゅそ)なりて。

 刺(さ)す毒(どく)の呪詛(じゅそ)なりて。

 刺(さ)す毒(どく)の呪詛(じゅそ)解(け)でぬ者効(じゃき)かとがす。

 ガ、祁(け)せずちのと消(しょう)ぜ。

 ものこそたれ、さいざせずものこそたれさいざせず。

 さすどれとさいさしの判別(はんべつ)行(おこ)なわれとし、救(すく)いたる、足(た)り得(え)る形(かたち)ありてす。


「命のかけ方は二つ存在した。死を伴うか、死に抗うかである」


 鎌(れん)、全覧(ぜんらん)ならざるを得(え)ず。

 我(が)、生(は)くうえ全覧(ぜんらん)あとる必(かなら)なし。

 さいざせず。

 ガ、追(お)いて、全覧(ぜんらん)せ。

 全覧(ぜんらん)ずしとも、命(めい)続(つづ)けきと。

 さいざせず。


 世(せ)、不定崩(ふていほう)ようとも、ゆめゆめ、現実夢(げんじつゆめ)どちとさててかも、跳(は)ねと願神(がんじん)占めるべとなく。

 さいざせず。


 人成(ひとなり)なく狂暴(くるあばれ)りてさいざせず、気(け)高(だか)き世斜者(よななめじゃ)さいざせず。


 邪視払(じゃしはら)い土(つち)握(にぎ)れ。

 邪視払(じゃしばら)い土(つち)握(にぎ)せ。

 決(け)してさいざせず。

 その身(しん)。

 是(ぜ)よ。

 一片鎌(ひとひられん)とあれ。

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