回想『入学式2』
翌日の学園にて、ボクは頭を悩ませながら前を向いていた。
(……ああ、完全にスタートダッシュ失敗した……)
結局の所、初日で友達を作ることができなかったんだ。すなわち、ボクはクラス内で孤立をしている存在であるということだった。
そう感じてしまうと余計に頭を抱えてしまうので、仕方なく一人でスマホゲームをすることにした。
やっているのは麻雀のゲーム。かわいい女の子たちが麻雀を打つゲームなのだが、課金要素をしていないため、キャラクターが初期状態の獣少女であった。
(こんな惨めな思いをしながらゲームしても面白くないんだよね…)
本当だったら、友達を作って一緒に麻雀をしたいんだけど、作れなかったため一人でネット対戦をして時間を潰したんだ。
チャイムが鳴り、一時限目の授業が始まろうとしていた。授業とは言っても、まだ委員会活動や掃除当番決め、授業で使う教材を配布されることになっているんだった。
「よーし、授業始めるから席につけー」
と、担任の吉田彩織先生(だっけ?)がチャイムと同時に声を発した。
「一時間目は委員会決めをする。委員会を読み上げていくから、やりたい委員会があったら手を上げろよー」
昨日から思っていたことだったが、やる気がなさそうな口調で喋っているんだけど、本当に担任として務まっているのかが不思議なんだけど…
淡々と先生が委員会名を読み上げていくのを聞きながらボクはなんの委員会をやりたいのかを考えていたんだ。やっぱり、中学生の時にもやった図書委員会にしよう。うん。
「図書委員」
その声が聞こえたので、ボクは手を上げたんだ。
「図書委員は九重…と。他にやりたいやついないかー?」
そう、図書委員会で手を上げたのはボクだけであり、他のクラスメイトのメンバーは手を挙げる気配がなかった。
「ん。図書委員は九重がやるということで、これは決定ー」
え、図書委員って各クラス1名いればいいの?大丈夫?
とか考えていたらどうやら大丈夫らしく、次の委員会の呼びかけが始まっていた。
それと同時にボクの学園生活が更に真っ暗になった気がした。もともと真っ暗だったから、地獄?とでも言ったほうがいいのか…
本当に、これからどうしよう…