絶対存在理論-転生と召還の果てに-
ここに1つの事実を語ろう。
今、地球と言われていた星は、ある場所は砂漠におおわれ、大自然に飲み込まれ、見たこともない建物が建ち並び、巨大な水がまるでプリンのように大地にそびえ立ち、海と呼ばれた場所には先の見えない霧が発生している。
それが今の地球と呼ばれた場所だ。
始まりは、人や動物が神隠しのように世界中から消え始めた時、
あらゆる場所で未確認生物、未確認物体が現れるようになった。
それは、今まで幻と呼ばれていた物が確実に存在すると言われるくらいの出現率だった。
その未確認生物達はある時、町を襲い見たこともない力でその環境を自分たちが生存するために変えていった。
未確認生物が国を滅ぼし始めた頃に、海は霧におおわれ、電磁波さえも通さない先の見えない場所となった。
生き残りある島国に集まった学者達はどうしてこうなってしまったのかを考えた。
多数の意見が出されるなかである1つの理論が注目された。
それは突拍子もない話だったが、なぜか受け入れられる話だった。
その理論はこうだ。
世界のどこかで人か物が1つ神隠しのように消えると未確認生物ないし未確認物体が1つ現れる。
ただし、その未確認生物、未確認物体はこの地球の環境に馴染めないため、長くは生きられず死んでしまう、死んでしまうとまた、神隠しのように消えてしまうということだった。
そして、ここからが多くの人に信じられなかったが信じずにはいられなくなった事柄だった。
世界中で起きている神隠しは実は異世界に召還されているということ。
もしくは、転生しているということだった。
この地球という世界から転生ないし召還されると地球の存在数が1減る、ここで死んだものはどうなるかというと、魂という概念があり、いなくなりはするが、魂が在るため減る事にはならないということだった。
この減った存在を地球は元に戻そうという力が働き、異世界に召還ないし、転生された世界から同じ数引き寄せる形になる。
召還された存在は、その世界で生きるための適正を召還されたときに受けるが、世界が数を合わせるために引き寄せた存在にはそれがなく長くは生きられないということだった。
引き寄せられて死んだものは、世界に合わない物なので死んだ時に存在がなくなり、魂が世界の流れに戻され、新たな存在としてその世界に構築されていくということだ。
未確認物体の場合は役目を終えた時に消滅しなくなるという。
昔、時々見つかるUFOや、湖に現れる巨大な生物、雪男や妖怪、化け物と呼ばれる存在はすべてこの現象により世界に引き寄せられた存在ということだ。
これを発表した学者は最後にこう言った。
「今、多数の異世界は混沌につつまれ、我が世界の為に召還、転生を繰り返している。その代償を今、この地球が払う事になった。存在する地球人よ、どうか生き残り自分の世界を守ってくれ、私も第2の故郷を破滅で終わらせたくはない」
そして、多くの人が見る前で学者は消えてしまった。