1話 属性と知識
「ま、まに、間に合っ、た……」
ぜぇぜぇ、と息を切らし教室に入る姿は完全にジャパニーズ学生ですね!うん!魔法世界なのに魔法感が無いのは習ってないからだと言い訳をさせてほしい。
「おっはよーイリア」
「おはよ、マルセラ……うえっ……」
彼女の名前は、マルセラ=アマドール。彼女もこの学校に通う生徒で私の唯一の友達と言っても過言ではない、多分。
名前のおかげで席もお互い近く、仲良くなるまでには時間がかからなかった。てか今でも思うけど、すっげえ苗字だよね。私も人のこと言えないけどさ。
「で?今日はなんでそんなに疲れてるの?」
「寝坊して全力疾走」
「あー…」
「早く飛行魔法覚えたいってーの。それか魔具の制作方法はよ」
魔具とはその名の通り、魔法道具のこと。この話を聞いて物凄くショックを受けたことが……
魔法使いって、魔法の杖とか使わなくても魔法使えるんだって……私の夢が壊れました。
「残念ながら今日は昨日のおさらいと、属性調べだよ」
「属性調べ?なにそれ」
「……イリアって何も知らないんだね…しょうがないから簡単に説明するけど、魔法使いは二つの属性に分かれてんの。それが単種属性と二種属性」
単種属性?二種属性?なんじゃそら。何も分からないのはしょうがないとか思ってたけど、なんかこれこの世界での常識みたいです。そんなん知らんがな。
え?普通に火属性とか水属性とかの魔法放てるとかじゃないの?ド〇〇エとか、そんなんじゃないの?
「単種属性はそのままの意味。属性特化の魔法使い。もちろん基本的な他種属性魔法も使えるけど、その威力は断然落ちる。だからそういう魔法使いは自分に合った属性しか使わないんだよ」
ほうほう。つまり火属性の単種属性の魔法使いは炎系統の威力が二倍になると…んで他の属性だと等倍になると……そりゃ同じ属性の技の方が威力あるならそれしか使わないよね。
ふーん…同じ属性か……ん?
「二種属性は特殊なんだよ。その名の通り二つの属性を持つことができるんだよ。普通なら魔法使いは単種属性なんだけど稀にこういう魔法使いだって存在する。簡単に言えばメイン火力が二つになるってこと」
火属性持ちでありながら地属性も二倍でダメージを与えられるってことか。それでそれ以外の属性は等倍になると……もうそれって完全にポ〇〇ンじゃね?え、だって単体属性と複属性ってことでしょ?もうそれ完全にポ〇〇ンじゃん!
「…ちなみにこの話はもっと小さい頃に習ってるからね?親とかに教えてもらってるからね?」
その常識が日本生まれの私に通用すると思うなし。これでも異世界転生人間だぞ。
それにしても魔法使いにもいろいろあるんだな……普通にどんな属性でも使えるとか思ってたし、杖常備とか当たり前って思ってたし…もしかしてゲームの考えじゃ甘いってことかい!?
「イリアって魔法の才能あるのに、何にも知らないよね」
「無知な天才とお呼び」
「はいはい天災」
「ふふん!……ん?」
マルセラの言ったことが気になって聞き返そうとしたけど、チャイムが邪魔して聞けなかった。
それにしても……
魔法っていつになったら使えるんですかね?




