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1章 とりあえず魔法を使う

初心者っていうのがバレバレな文章だなと見返して思いました。

気軽にどうぞ。

改めて、回りくどい転生をしてくれたものだと思う。女の子を助けた、そして死んだ。そしたら異世界でもなく現実にそのまま帰ってきた。

でも女になってる?ちょっと転生にしてはおかしな点とか突っ込みたくなる点が満載すぎる。

「そう深く考えずに。とりあえず君の使命を教えてるから」

「勝手に人を女体化させて転生してるくせに何言ってんだ」

目の前の名前も知らないツインテールシスターは呑気に本を開いている。その本こそシスターに似合わない分厚い本だが。

「えっと、君は魔法についてどれぐらい知ってる?」

指を出してそう聞く。転生してる身なので『魔法が使えるのか!?』的なノリはない。

ただ少しテンションが上がったのはまた事実。

「まぁゲームやってたから知ってるけど」

「あれ現実世界でも出来るんだよ?」

「は」

衝撃発言をこのツインテールはしやがった。何?厨二病はあながち病気でもないってことなのか?

「あ、そうそう紹介が遅れちゃった。私ヘルパって言うの。歳は…大体368歳?」

口に何も含んでないため唾液を吹き出す。急にファンタジーな感じになったな…。

「お前のことはとりあえずわかった。魔法がどうこういったな」

「あ、それそれ。魔法はね、生まれつき扱える人と扱えない人がいて、君がそれの第2号」

「第2号…魔法が扱える第2号…ってことは第1号は?」

「んー…厳密には君、第2号じゃないけど、第1号の人はつい最近死んじゃった。2度目の死だね」

つまり…そういうことだろう。

「第1号は俺と同じように転生して女になってその世界を救うとかいうことをやって死んだんだな?」

「うん、察しが良くて。でもその子は世界を救うんじゃなくて自爆で死んだんだけど」

「…そうか」

つまり魔法を扱うにはそれ相応のデメリットがあるってことか。確かに「はい魔法」なんて言ってたらムードもへったくれもないし、まず偉い化学者が既に魔法という概念を現実のものとして発表している。

「じゃあ世界を救う、ってことに関して教えてくれ」

「おお、意欲的だねぇ。世界を救うっていうのはこの世界の魔力のあまりで作られちゃったモンスターを倒し続けるってこと。それをしながら余った魔力を集めてモンスターが増えないようにする。それがあなたに与えられた使命」

ツインテールシスター、ヘルパの言うことは大体わかった。俺が住んでいた世界にも魔力、魔法は存在していてそれを扱う力がないから空想のものだ俺含め地球人は思ってたのだろう。

「んで、なんで女になってるんだ?別に自分の顔に自信があったとかそういう理由じゃなくて性別変える意味はなんだ、と聞きたい」

「んー…女の方が魔法適性上がったりするんだよねー…。ほとんど僕の趣味だけど」

「お前友達いねぇだろ」

とりあえず肩を回してみる。元の体を動かす時とあまり大差ない。

「うーん、体は別に問題なさそうだな」

「そんなわけないよ。体軽いから走る時とか気をつけてね」

「なんでめんどくさいとわかってて性別を変える」

「趣味趣味」

本当にこいつ性格と性癖悪い。だが嫌なやつではない。

「じゃあさっそく、魔法を教えてくれ」

「そうだね。あ、ちなみになんだけど今の君の名前は『李世 魔歩』だから。間違えないようにね」

「転生しても同じ名字!?」

「大丈夫。サトウさんがたくさんいるのと同じ。たまたま死んだ李世天哉と同じ名字ってことにしたから」

「李世って名字他にないと思うけど…」

自分の設定がことごとく雑だなと落胆しつつ、今魔法が扱える事実には喜ばねば。厨二病にとって魔法が扱えるなんて夢のようだ。

「じゃあ魔法を教えていくよ。まずは…水の魔法」

ヘルパは右手を指鉄砲に構える。

『ウォータービーム』

そう唱えるとヘルパの指先から水が出てきて俺の顔にかかった。

「詠唱がないと魔法は撃てないし、後は魔法を起こす感覚が大切なんだ。力をためる感じ。でもギュッとするんじゃなくてフワッとした感じで溜めてね」

「フワッと…フワッと…」

指鉄砲を作り一応仕返しも兼ねてヘルパに銃口を向ける。そして魔法使いとしてはじめの魔法を放つ。

『ウォータービーム』

すると右手に激しい痛みを覚える。ついうずくまって手を抑える。

「痛っ!いってぇぇ!なんだこれ!」

「あ、ごめん。紋章を君にあげてなかったね」

「は!?」

「紋章っていうのは、魔法を覚える時に使う道具。手に埋め込むんだ。これは普通の人が使うと何も起きないけど今の君が使えば、今後こそ基本中の基本ウォータービームが使えるはずだよ」

透明な紋章、雪の結晶みたいなそれを本の中からとりだす。あれネコ型ロボットの四次元ポケットだったりするのかな。

「全く先にそういうこと言えよ…」

愚痴をこぼしてそれを受け取り右手に当てる。するとその紋章は青と紫に光って手の中に吸い込まれた。

「おお、君水と闇魔法の使い手になったよ」

「属性あるんだ…」

咳払いをしてヘルパに魔法を撃つ合図をする。属性も気になるが早く魔法を扱いたい気持ちが勝った。

『ウォータービーム!』

今後こそ指先から水が発射されヘルパの顔を濡らした。

「わぷ……。お、おめでとう。これで君も魔法使いの仲間入りだよ。じゃあ他の魔法はおいおい説明するとして。とりあえず、君を本来進むはずだった道に戻すよ」

「戻す?どういうことだ?」

「深川高校に入学させるんだよ」

「…なんで?」

「魔法使いの近くにモンスターは現れる。それに加えてモンスターは人を襲いたがる。人がいる場所の方がより効率的にモンスターを倒せるから学校に行かせるの」

「……たくない…」

「ん?」

「俺、もう勉強したくねぇぇぇぇ!」

俺の魂のさけびだった。

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