キツネとコマドリとオンボロ橋
ヘビと別れた後も、キツネはオンボロ橋の方をずっと見ていた。
(はあ、ヘビさんは、気付いていない・・・)
「ラララ~♪、ラララ~♪ あら、ヘビさんではないですか? くラララ~♪ どうかしたのですか?」
そこにコマドリがやってきた。
「おや、コマドリさん、こんにちは。今日も陽気に歌っていますね」
「ラララ~♪ 私は、いつも陽気です~♪」
コマドリさんは、歌いながら、キツネさんに答えた。
「そうでしたね。いつも陽気なコマドリさんは、このオンボロ橋の先に行ったことはありますか?」
キツネは、コマドリに聞いた。
「ラララ~。いいえ~? 何故そんなことを聞くのですか~?」
「では、行きたいと考えたことはありますか?」
「ラララ~。いいえ~? キツネさんは、何故そのようなことを聞くのですか?」
コマドリは、逆にキツネに質問した。
「今の私たちが何か歪だと思えるんです。もし、私たちが正常に戻るきっかけは、この橋の向こうにいければ分かるような気がするのですよ」
「ラララ~。そうなのですか~? オンボロ橋の先は何があるのでしょう~?」
「分かりません。でも、コマドリさんは、オンボロ橋を渡りたいと思ったことは無いんですね?」
「ラララ~。はい~。ありません~。でも~。・・・」
「でも!!、でも、何!?」
まさかの『でも』だ。一筋の希望にキツネは、飛びついた。
「でも~、でも~、でも~、何なんでしょう~? 何を言いたいか忘れてしまいました~」
「では~、キツネさん~、さようなら~、ラララ~、ラララ~」
コマドリは、そのまま、飛んでいってしまった。
「さようなら。・・・もう少し、離したかったけど、仕方ないか」
そう思いながら、キツネは、まだオンボロ橋の方を見ていた。