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モグラ

作者: 朝馬手紙。

どこにも居場所がなくて

帰りたい家はどこ?

穴を掘って、穴を掘って

土埃が僕にお似合い

このまま死んでやろうと思ってたんだ


光の届かない暗闇の中

なんだか居心地がいい

もうちょっとだけ生き延びてみようかな

って、思えた自分を信じて

みよう、見ようとした虹の色

一つずつ忘れていく

もしくはズレていく

ああ、もう

堕ちるところまで堕ちちゃったんだな




自分専用の生き方で

行き着く先はどこ?

穴を繋げて、穴を繋げて

広い家に僕はひとりぼっち

天体観測しようと思い立ったんだ


月が見えない暗闇の中

なんだか空は曇っている

いや視力が失せたんだと受け入れなきゃ

って、思ってたら空が晴れて

なきそう、泣きそうと我慢していたら

一軒ずつ灯りだす

遥かの街も綺麗だな

ああ、もう

生きているだけでいいような気がしてきたんだ



これだけ落ちこぼれた僕でも

逃げたくて逃げてきた僕でも

何一つ美しくない生き物でも

生きていけばいいか、って歌を歌いながら

長い、長い、夜を過ごす

朝が来たらやっぱり怖くて

潜って逃げちゃうよ

また、星を探してみようかな…



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― 新着の感想 ―
[良い点] こんばんは、はじめまして。皐妃(さき)と申します。 モグラ、と聞いて春のふんわりとしたイメージが先行していましたがそれ以外にもこういう表現があるというのを知ることが出来ました。ほっこりする…
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