吟遊詩人にリコーダーを持たせるのはシュール
私は、うたうことを生業とする『吟遊詩人』を自称することが多い。
とあるゲームにて、歌で味方の防御力を上げたり、レクイエムなんて名前の歌攻撃をし、時には楽器で敵を殴るジョブがあるだろう。あれだ。
吟遊詩人は二種類ある。
片方は王様に召し抱えられたミンストレル。片方は自由気ままに旅をするバード。
私が気に入っているのは後者だ。だからよく、ここでくらいなものだがバードを名乗らせてもらっている。
しかし、ここで大きな問題が発生しているのだ。
吟遊詩人は、恋愛や言い伝えなどの物語を、リュートや竪琴といった楽器の音色に乗せてうたうことが多い。しかし、私は楽器が扱えないのだ。
すでに詰みだ。王手がかけられていて逃げ場がない。
だが。作品によっては、ハーモニカを吹いているものもある。もうこれっていいのかわからないがとりあえず様にはなりそうだ。
……なりそうなのだけれど。よく考えると、私はハーモニカも吹けない。
できる楽器なんて、リコーダーくらいのものだ。それも、中学音楽のレベル。
そんなリコーダー吹きが、草原や噴水広場でリコーダーを吹いているのを想像してみた。なかなかにシュールだ。
自分でも不満があるけれど。私は詩を紡ぐことが好きで、バードの基質も好きだ。
だから、これからも吟遊詩人を自称したい。いやそれは駄目だろうという人が多ければ、その時は詩人にジョブチェンジする。