ジャイアントパンダの食べ物事情
ジャイアントパンダのフンは緑色をしている。そのことは近ごろ話題に上ることが増えてきたから、知っている人も多いだろう。
ならばなぜ緑色のフンをするのか。それはジャイアントパンダの胃腸がササやタケを消化することができず、食べた物がほとんどそのまま出てくるためである。
ここまでを、アナウンサーたちはテレビで説明してくれる。
それで新たな知識を手に入れた気になるのも、またいいだろう。楽しいネタを手に入れることができたのだから。
もう少しだけ踏み込んで考えてみる。
なぜ、ジャイアントパンダはササを消化できないのだろうか。
ジャイアントパンダの主食は、ササである。けれどジャイアントパンダは、なぜかそれを消化できない。
主食を消化できない生物を、私は他に聞いたことがない。
この疑問は数年前、何かの番組で取り上げられていた。
そこで出された答は、以下のようなものだった。
『ジャイアントパンダはもともと肉食だ。しかし食べる物に合わないことが続き、仕方なくササを食べるようになった。
それがイメージとして定着し、パンダの主食はササだと思われるようになった。』
つまり、ジャイアントパンダは肉を食べるのに適した腸のつくりをしている。
それなのに、すでにつくられたイメージのせいで体に合わないササを食べさせられ、どうがんばっても消化できないのだ。
うーん、不憫だ。体に合わないものばかりを与えられるのは。
いつかまた、ジャイアントパンダが肉を主食とできる日が来ますように。
たぶん、『飛び出せ! 科学くん』だったと思います。
あれ好きだったなぁ……。