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第四章 ロメオとジュリエット

遅くなりました・・・・・かなり・・・・。すみません。

「かえせ・・・・・かえせ・・・・・・!!」


 ねむい・・・・・・・・・。


「かえせ・・・・!!私の羽を・・・・・私の記憶を・・・・・・・・!!」


 ん・・・・・?もしかして・・・・・フラン・・・・・・・・・?


「それがなくては進めない・・・・!!」


 魘されてる・・・・・・?


 眠いと叫ぶ体を無理やり起こし、周囲を見渡す。何をしてたんだっけ・・・・?


 ・・・・・・・・・思いだした。たしか本を読んでて寝ちゃったんだ・・・・・・。


「私がそれを望んでいる・・・!?そんなこと・・・そんなこと・・・・あるはずが・・・・ないっ!!」


 ・・・・・・ああ、フランも寝ちゃったんだね。確かフランも本を読んでた。


「あれは・・・・・・・あれは・・・・・・!!ただ・・・・・・・!!」


 なんの夢を見てるんだ・・・・・・・?


「黙れ!!その口を閉じろ!!私に私のことを教えるな!!私に私の真を教えるな!!」


 わけがわからん・・・・・・・。


「記憶があれば私は前を少しだけ向けるかもしれない。羽があれば私は過去が染みついたこの場から動ける・・・・・!!」


 わけがわからん。


「うるさいうるさいうるさいうるさい!!!!!ああ、そうさ!!私はきっと本当はどこにも動くつもりなどなかった!!!」


 ・・・・・・・・・・・?


「・・・・・・・・・・・。」


 黙った・・・・・・・。って、早く起こそう。


「フーラーン。起きてー!!布団行こうぜ!!」


 なかなか起きないな・・・・・・。普段は起こしてくる側なのに・・・・・・。


「起きろ!!」


 なんで起きないんや!!


「おきーてー!!おきーてー!!起きてー!!!おーきーて!!」


 はぁ・・・・・・起きそうもないな・・・・・・。部屋に運ぶか・・・・・・。


「よっこらしょ。」


 って、軽っ!!ちゃんと食事食べてんのかコイツ。今度、寝てるときに口に食事詰め込んでやろ。



 * * * *



「ひっ・・・・・。」


 おいおい・・・・・・。これまで入れてもらったことなかったから知らなかったけど、フランの部屋ってこうなってたのかよ・・・・・・。怖い・・・・・・。


「十字架・・・・・・。」


 ・・・・・・なんと・・・・・部屋には銀色の十字架がびっしりと飾られていた・・・・。


「一体全体何個あるんだ・・・・・・・。」


 狂気を感じるよ・・・・・。天井からも真珠みたいなのに繋げて十字架がつるされてるし・・・・・・。青い壁だから銀色の十字架が映えちゃってて余計に怖い・・・・・・。あ、壁に一枚マリアさまの絵が飾られてる・・・・・・。


「早く出てこ・・・・・・。」


 いつのまにキリスト教信仰してたんだね・・・・・・。なんて思いつつ、私は黒いベッドにフランをおろし、部屋を出


「行くな。」


 ・・・・・られなかった。手をフランにがっしりと掴まれた。


「あれ、寝てたんじゃ。」


 寝てたよね?歩くのがめんどかったから、私に運ばせたとかじゃないよね?


「思い出した・・・・思い出したぞ・・・・・・・・。」


 何を?


「決して逃がしたりなどはしない・・・・・!!!私はどんな手を使っても縛り付ける・・・・・!!」


 ふぁっ!?どうした!?


「はははっ・・・・・!!!はははははははははっ!!!!!」


 狂ってるぜ・・・!?



「神よ!!どうか二度と私たちのもとに光など遣わすな・・・・・・!!!!」


 え、私たちって私も入ってる?ちょっ、やめてよ!!!


「私たちは、歪に捻じれた関係に互いの顔しか見えないままに縛られ続けるぐらいが丁度いい!!!」


 ・・・・・・・・。


「裏切りなんて許さない!!一人だけ飛び立つなんて許さない!!他の誰かを近づけるなんてさない!!逃げようとするなんて許さない!!この歪よ!!!永遠に!!!!」


 は?


「なぁ、兄弟。兄弟もそう思うだろう!?」


 兄弟って本当になんなんだ・・・・・?私はそんなの・・・・。


「どりゃあっ!!!」

「ぐはっ!!!!」


 もういい!!面倒だから強制的に眠って頂こう!!!


「おやすみっ!!!!」


 私の手(物理)で。今回は左手以外抑えられてなかったから助かった・・・・・・。



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