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第十三章 ジュリエットひとり

遅くなりました・・・・・。今回はホンツゲさんの謎設定がたくさんでてきます。

「はぁ・・・・・。」


 今日もフランは眠ってるけど・・・・。二日目か・・・・。戦争もはじまったし・・・・・。私が戦争に行くのも近いだろうしな・・・・。

 ああ、そうだ・・・・依頼しにいかなきゃ・・・・。



 * * * *



「ホンツゲさ・・・・・!?」


 慌てて、扉の影に身を隠した。誰ですか!?その、白い髪が途中から赤になっている緑色の眼の美人さんは!?


「いいかい?今からする話をよーく聞くんだよ。」

「はい。」

「絶対にその剣は折っちゃあいけない。滅多に折れはしないと思うが、お前の心が弱ったときに脆くなる。」

「わかりました、心を強く持てばよいのですね?」

「ああ。そうだ。・・・・実践するのは難しいがね。あとは・・・・・使ったあとは・・・わかってるね?

絶対の覚悟を持って使うんだよ。」

「わかっております・・・・・。我が主のためであれば・・・・・・いかなることも。」

「・・・・・ふん、お前の主のため主のためっていうのはどうにも信じられないけどね。」

「なにを・・・・・!?私の忠誠を疑うのですか!?」

「・・・・まぁいいよ。あとはその剣を誰にも渡すなってことだ。・・・・・とにかくその剣の扱いには十分気を付けるんだよ。わかったね?」

「はい。」

「とりあえず、しばらくはここで過ごしな。いつなにが起こるかわからないからね。」

「ですがっ!!」

「お前さんのはやる気持ちもわかる。だが、本当にいつなにが起こるかわからないんだよ。」

「・・・・わかりました。」


 そういうと、美人さんはどこかへと消えていった。


「・・・・・・こそこそ見てないで、入ってきたらどうだい?」


 ひえっ!!バレてた!!・・・・・・そらそうか。


「・・・・・・・あの方は?」

「・・・・・・・可哀想な子さ。」


 ・・・・・いや、だから誰なんだって。


「言っとくけど、守秘義務があるからあの子の正体は明かせないよ。」


 さいですか。


「そういえば、剣も作ってたんですね。」


 刀だけだと思ってたけど・・・・・・・。


「まぁね。・・・・・・ああ、なんか可笑しいと思ったらあのムカつく小僧がいないね。」

「・・・・・・この二日間、ずっと眠ってるんです。原因はよくわかりませんが。」

「・・・・・へぇ。ところであんた、あの小僧のあの刀、どこでどうやって手に入れたか知ってるかい?」

「・・・・・ホンツゲさんにつくってもらったとか言ってたような・・・・。」

「・・・・・・そうかい。やっぱりあれは私の刀か。だがな・・・・私があの刀を作ってやったやつと今あの刀を持っている小僧があまりにも違ってみえるんだよ。」

「前の持ち主と今の持ち主が違うことになにか問題が?」

「・・・・・私のつくった刀はね・・・・まぁ、剣もだが、持ち主と刀は一心同体なのさ。刀が折れれば持ち主も死ぬ。人が死ねば刀も折れる。その代わり、異常な程の強さを刀が得る。刀はほとんど折れることもかけることもなければ、どんな素人でも体の一部かのように刀を使いこなせ、大抵のものはなんでも切れる。それに刀からの能力の発動も可能になる。他には刀の感覚が自分の感覚のように伝わってくる奴も時々いる。」

「それが持ち主が変わることに問題があることになにか関わりが?」

「ああ。問題大ありさ。私の刀はね、最初の持ち主以外の誰かに使われると刀を使った奴と・・・・・最初の持ち主が死ぬんだ。・・・・・ということは、わかるね?」

「刀も折れる・・・・・。」

「そうさ。だからね、あの刀が折れてないことは可笑しいんだよ。」

「・・・・・・いまさらですが、なぜ貴女の刀はそんなことが?」

「・・・・・・・・・依頼者の魂を刀に入れてるからね。」

「そんなことが・・・・

「可能だよ。私の能力と・・・・刀づくりの才能をもってすればね。」


 すごいな・・・・・。


「話を戻すが、やっぱりあの小僧が私の刀を持っているのは可笑しい。あの刀は・・・・あの小僧につくったはずはない。私はあの刀を他の奴の魂をこめてつくった。同一人物の可能性も考えたが・・・・魂の色が違いすぎる。」

「魂の色?」

「・・・・・・見えるんだよ。私には。・・・・・確かに違う人物のはずだが・・・・なぜあの刀を使えているのか・・・・・。」

「さぁ・・・・?」

「まぁ、あんたに聞いてもなにもわかりはしないか。」


 そらそうだ。私、魂の色とかわかんないし、フランの刀についてそんなに詳しくないもん。


「ところで・・・・・ホンツゲさんの刀は・・・・使うとなにか起こるんですか・・・・?」


 さっき、美人さんに相当の覚悟を持って使え、って言ってたけど・・・・・。


「・・・・いいや?なにも起こりはしないよ。」

「でも、さっき・・・・

「ああ、もうこんな時間だ。日も沈みかけてる。さぁ、帰った帰った。」


 

 * * * *



「フラーン、ちょっと入る・・・・よ・・・・・?」


 あれ?ベットにいない。まさか・・・・。


 バタンッ


「あ、リコリスさまー。」

「ヘチマ!!フラン知らない!?」

「え?フランちゃんっすか?ああ、そういえばさっき、礼拝堂の方にふらふらと行くのを見たような・・・。」

「ありがとう!!ヘチマ!!」

「いえいえ、それほどでもないっすよー。」


 礼拝堂ね、うん、礼拝堂。そういえばフランはいつの間にかキリスト教になってたもんね。お祈りでもしにいくのかな?





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