エピローグ
エピローグ
強がるアキラを引きずるようにして病院に連れて行ったが、怪我は大したことが無かったらしい。
そこは鍛え上げた頑丈な肉体が活きた形といえた。
それにしても恐ろしい相手だった。
メタモル能力を最大限に活かした戦い方だった。
これまで、自分が持つ変身させた後のスタイル…タイトスカートやハイヒールにストッキングなど…を「応用」して、変身後も戦い続けることで戦況を優位に持って行こうとする陸奥海斗の様なタイプと戦ったことは確かにあった。
これは、斎賀に聞いた話だが、なんと「相手を子供にしてしまう」能力者がそれを利用して体格差を利して勝つ…などというタイプも報告されているらしい。
だが、これらを全て総合したとしても、いずれも「そのプレイヤー自体が持つメタモル能力を使った戦い方」であるところから踏み出してはいない。
しかし今回は違う。
既に引退して脅威ではなくなっているとはいえ、なんと三種類もの細かく仕様の違う「カラードレス」を自在に着替えさせてくるメタモル能力に加え、条件で縛ることで相手を女物に着替えさせ、それを揺さぶりに使ってくる…という青天の霹靂みたいなファイターだ。
一旦着替えてしまったが最後、戻る主導権を相手に握られたままだったりすると大変なことになる。「女物に着替えさせ」られてしまうのだ。
単に女装したまま肉体だけ元に戻って「女装した男状態になって恥ずかしい」なんてレベルじゃ済まないのだ。
事実武林は大怪我をさせられた。
現在の普通の女の装いだからあの程度で済んだが、それこそ中世の女がドレスの下に着こむ鉄製のコルセットなんぞしたまま男に戻されたらどうなるか!
今度こそ肋骨がへし折れて内臓に突き刺さるに違いない。その内臓だって圧迫して破裂するかもしれないのだ。
能力そのものにしても、これだけのファイターがいながら「特殊系」と呼べそうなのは4人のみ。全てはプレイヤーの知恵と工夫と妄想次第ってことになりそうだ。
メタモルファイターはメタモルファイターと惹かれあう…のだろう。きっと。
これから一体どんなことが起こるのか…
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