皇法子の場合 14
第二十七節
「そこはパートナーとして察してあげないと」
皇がニヤニヤしている。
「え…?」
「今夜は看護婦さんの格好でしたいんだって」
「わーーーーーっ!!」
食い気味に瑛子が大声を上げた。
しばし沈黙。周囲の喧騒が戻って来ていた。
ふと見ると、瑛子は顔を真っ赤にして俯いている。可愛い。
「…え…あの…」
動揺を隠せない群尾。
「じゃ、合意出来たみたいなんで条件の確認ね。そっちはいやらしい気分になったら変身します。終わるのは…そうだなあ、落語の寿限無を三回言ったらってことで」
「そ、そんな風に設定できるんですか!?」
「だから言ったでしょ?」
相変わらずニコニコして小首を傾げている彩香。トンだ狸だ。
第二十八節
結論から言うと、群尾たちは結局同意。以後の「仕事」は組織「アーバン・スイーパーズ」を通して行うことになった。
なかなか大仰な名前だけど、個人的にはクールな響きがいいと群尾は思っている。
まず天使彩香さんと沢尻瑛子がお互いの同意の元お互いを変身させ、そして「合意の上の引き分け(インテンショナル・ドロー)」を選択して元に戻る「実験」を成功させた。
その上で「再戦」し、彩香はキュートな女子高生スタイルのまま帰って行った。
その夜?
…まあ、大方の予想通り瑛子の部屋に戻った群尾と瑛子は、瑛子が「大人の女」となり、同時に看護師スタイルとなったところでいちゃいちゃすることに成功したのである。
遂に「野良メタモルファイター」だった沢尻瑛子は、組織所属の…言ってみれば「プロ」となったのだ。
そしてこれが、波乱の運命の幕開けだったことに…少なくとも群尾は勘付いていた。
*沢尻瑛子 メタモル・ファイト戦績 〇勝一敗二引き分け 性転換(変身)回数三回
*天使彩香 メタモル・ファイト戦績 十七勝一敗二引き分け 性転換(変身)回数十回




