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皇法子の場合 12


第二十三節


「ウチじゃまだ確認してないねそのファイター」

「そうだね」

「…珍しいんですか?」思わず口を挟んでしまう群尾。

「そうね…今のところは。で?沢尻ちゃんはリクスー着せられたんだ?」

「ああそうだよ!」

「身体も女子大生くらいになったんだよね?」


 女同士なのに何故か質問がいやらしく聞こえるのは気のせいか。


「知らねえよ。スカートにストッキングだったのは覚えてっけど」

「相手の男の子は?女子高生にしちゃったの?」

「そりゃな」


 年甲斐も無く二人できゃーとか言って盛り上がっている。


「どうだったどうだった?やっぱり動揺したり顔真っ赤にしたりしたの?」

「スカートめくったった?」

「別に…慣れてやがってノリノリだったぜ」


 言葉遣いが乱暴なままの瑛子。


「はあ…そりゃ相当慣れてるね…ガチファイターだわ」

「何だよそれ」

「仲間内でメタモルファイトをし合ってる子たちだよ」

「そう言ってました」

「やっぱり」


 天使彩香あまつか・さやかは大騒動があった後なのに何事も無くミルフィーユを追加注文した。さっきの看護婦はもう「組織」の手のものによって連れ去られている。

 群尾の脳裏に白衣の白い素材越しに良く見ると透けて浮き上がっているブラジャーやパンティのラインが思い出されてきた。



第二十四節


「ファイトに付き合ってあげるのは構わないけど、確認しときたいんだよね。どれくらい法則に精通してんのか」

「法則?」

「そ、法則」

「触ったら変身、終わったら戻るじゃねえの?」


 頭を抱えるすめらぎと彩香。


「やっぱりそのレベルかぁ…」

「ねえ」


 身を乗り出す群尾。


「法則って何です?」 

「メタモルファイトってお互いの約束事で全て決まるわけよ。だから基本はそこで決めちゃえば全てOKなの。ここまでいいかな?」

「全っ然よくねえよ。何だって?約束って何だよ」


 またイライラモードに入っている瑛子。


「リクルートスーツのファイターとは一応SENNせんで繋がってます」


 SENNせんとは一世を風靡している無料通信アプリである。


「そうなの?」

「じゃあ、その彼から仕組みについてレクチャー受けたりは?」


 肩を落とす群尾。


「残念ながらそこまでは…ただ、掛け持ちが出来ないというところまでは聞いてます」

「掛け持ちって?」


 これは瑛子だ。


「あらあら、マネージャーとタレントの意思疎通が不完全みたいね」


 そりゃ瑛子はメタモルファイトの法則なんぞ説明を受ける気が全く無い。



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