・第六話、ジャーナリスト
「歌舞伎町、後日談2」
何故かガチムチレスリングの外人二人の横で同じく正座をさせられ怒られる俺。
畳の上でも正座はやはり足にくる。
説教の主は「白子」こと城崎麗華。
説教の内容は誤解されてた事を説いた後に「出てけ!」という
言葉に向けての事だった。
「アテもない外人さん二人が可哀想でしょ!」
(そんなこと言うならテメェんちで引き取れよ…)と思ったが
口には出せずガミガミと説教を聞く俺。
仕方がないので雇うことにしたが1から10まで教えるのは若干面倒くさいので
白子に任せる事を条件に住み込みで働かせることを了承した。
夜になり酒屋を閉め俺は居酒屋の経営にまわった。
居酒屋と言ってもカウンターしかない小さなBarのようなものだ。
といっても今日も決まった客しか来ないと思っていたのだが珍しい客が来た。
「お久しぶり、草薙さん」
声をかけてきたのはジャーナリストである「中川優奈」
酒屋もBarも儲からず探偵職も安定していない時に
バイトとして雇ってもらっていた会社の女性である。
年齢28歳にして係長まで上り詰めた若手のOLだ。
「今日はちょっとした依頼があるんだけど、どう?」
単刀直入に言ってくるのはこの子の性格なのだが大抵ロクな依頼ではない。
「…今日は早く店を閉める。内容はその時だ。」
普段はダラダラと0時近くまでBarを開けているが今日は
客も少なく22時には閉店させ依頼の内容を聞く。
「今度は何だ?芸能人の張り込みか?それとも前のようにドブの中から政治家が捨てた証拠見っけてこいってか?」
いつも内容が内容だけに警戒して初めに聞いてみる。
だいたい効果はないんだが。
「ううん、今日は違うの。ちょっと取材に付き合って欲しくて」
ほう、なんだかまともそうな依頼じゃないか。荷物持ちか?
「特殊班の刑事さんも一緒だけどね^^」
やっぱりまともな依頼じゃなかった…。




