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草薙裏探偵事務所  作者: 和都
「草薙失踪事件」
67/70

・第六十四話、救出2

草薙失踪事件37

草薙視点

悲鳴の近くまで俺は走る。

そして、目の前の光景に俺は目を背けた。


「ぐっ…。」


そこにあるのは屍の山々。

切断された死体が無数に転がっており、血で床の色が判別出来ない。


人形のように転がっている死体の奥に奴はいた。


20mくらい離れているが縮こまっている人影と奴が見える。

俺は一歩踏み出し屍を越える、出来るだけ見ないように。


そして、最後の獲物を狩るかの如く、腕を振り上げたその時、

俺は集中して言葉を発した。


「放て、水の弾丸よ!!!」


自分でも必死だったのだろう。

こんな死屍累々の場面でも集中出来た。


目の前の死体は後で吐けばいい。

今は…その時じゃない!


俺の放った水の弾丸はグラーキの従者の腕に当たり、奴の爪が弾き飛ぶ。

そして、俺は再び集中し次弾を撃とうとしたその時。


奴の風を切る音が聞こえた瞬間、俺の首にもう片方の奴の腕が伸ばされる。


くっ、はやっ…!?


俺は咄嗟に背中から倒れこみ切断された職員の胴体を盾にするよう掴み、

グラーキの従者の前に突き出す。


思った通り、グラーキの従者は切断された職員の胴に爪を立て突き刺す。


屍の血が俺の顔、手、脚、足、全てにかかるような気がした。

そこで自分が何をやっているのか理解してしまった。


心が壊れる。

そう思った。


そして次の瞬間、俺は自分に対する死への恐怖と対峙してしまった。


「うああああああああああ!!!」


俺の手から切断された職員の胴体は離されている。

そして俺は仰向けに倒れた状態。


このままだと確実な死が迫る。

俺はただ闇雲に床に滴る血液を奴に振り回した。


そしてその血液はグラーキの従者に散弾銃のように突き刺さり吹き飛ぶ。

まさにショットガンを至近距離で撃ったような感じだ。


普段の俺の水弾の威力とは比較にならない強さ。

これが死をイメージした力の発揮なのかと思いながら俺は気を失った。





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