・第五十五話、同行4
・草薙失踪事件29
沖田視点
僕はこっそり所長達の跡をつけ天井裏へ向かう。
所長は眼鏡をかけた白髪の職員と一緒に天井裏へ向かう。
あの白髪どこかで見たことあるような…。
後ろから見てもピンッとこない。
近くで見れば思い出せそうな感じはするのだけど。
「所長、ここです!」
眼鏡の白髪の職員が所長を誘導をする。
如何にも天井裏の入口と言うように点検用の小窓がが見える。
どうやってあんな高いところに侵入したんだ?
眼鏡をかけた白髪の職員が「脚立を持ってきます。」と言って姿を消す。
暫く経って白髪の職員が脚立も持ち戻ってきた。
「所長、お先にどうぞ。」
眼鏡をかけた白髪の職員が所長に言う。
「いや、お前が先に先行しろ。」
所長は警戒しているようで眼鏡をかけた白髪の男に言う。
「…わかりました。」
そう言うと眼鏡をかけた男性職員はテーサーガンを構え
天井裏へと侵入を開始する。
続けて所長が脚立を使い天井裏に入っていく。
僕は所長が上りきった後、バレないように脚立に足をかけ
天井裏に頭を突っ込み状況を把握する。
あれ、もう誰もいないぞ…?
僕は更に周囲を見渡す為、身を乗り出して周囲を更に伺う。
そして暗い天井裏に光が見えた。
これは懐中電灯の光だ。
という事はあそこに所長達がいるという事だ。
僕はその懐中電灯の光に写らないように光と間合いを取り闇の影を潜める。
闇に潜んでいると【シュッシュッ】と風を切る音が聞こえる。
その音の後に着地するような音が【トンッ】と聞こえる。
闇に紛れてよく見えないがこの身のこなしは能力者…?
しかし、草薙さんがこんな身のこなしが出来る訳が無い。
「そこか!?」
所長が闇に紛れる何者かに向かってテーサーガンを撃つ。
しかし、素早い何者かはテーサーガンを意図も簡単に避けてしまう。
「なに!?」
所長が驚き、一瞬の隙が生じる。
その時、後ろで懐中電灯を照らしていた眼鏡の白髪の職員が
所長に抜けてテーサーガンを構える。
所長はまったく気づいていない。
これは…!?
【パシュッ】
次の瞬間、所長の膝は地に着き意識を失ったように見えた。




