・第四十六話、潜入
・草薙失踪事件20
白子視点
白髪頭って喜助さんの事だ!
私はそう確信を持った。
そして、その確信の為に行動へと移す。
二人組の科学者の後ろへついて行きバレないように物陰に隠れながら移動する。
「あ、俺こっちだから。」
「おう、それじゃまたな。」
そう言って二人組は一人ずつに別れてしまう。
うーん、どうしよう。
どっちに着いて行こうかなっと思ったら長身長髪の男性の方は
カードキーを差し部屋に入ってしまう。
仕方ない、もう一人の方について行こう。
そう思って足を早めた時、女性職員らしき人と鉢合わせする。
「あっ!?」
二人いっぺんに声が重なった。
やっちゃった。と思った時に
「貴女どこの子?」
と女性職員の人から聞かれた。
えーっと、なんて答えよう…。
「あの、お父さんの付き添いで…。」
咄嗟に嘘をついてみたけど
「お父さんのお名前は?」
と女性職員は私に問いかける。
あーん、どうしよう…。
私はここで口ごもる。
「どうしたの?」
女性職員は私に心配そうに尋ねる。
うーん、この人悪そうな人じゃないし正直に話してみようかな…。
そして、私は話す決心をする。
「あの、実は人を探してて…。」
「お父さんじゃなく?」
もうその話はいいの!
「えと、ごめんなさい。お父さんというのは言葉のアヤで…。」
私は話を進める。
「白髪の男性がここにいるって聞いたんですが…。」
私は恐る恐る聞いてみる。
「えっ、白髪…?なぁにそれ?」
とぼけたように答える女性職員が答える。
「えーと、見た目は30歳くらいなんですけど白髪頭で…。」
必死に説明している私に対し女性職員の後ろから
新たに男性職員が声をかけてくる。
「君、どうしたんだね?」
声をかけてくる男性職員に対し女性職員は
「所長!」と声をかけた。
所長って事はここで一番偉い人なのかな?
「あの…、ちょっとお尋ねしたい事が。」
私は意を決して所長さんに声をかける。
「うん?君は部外者かね?」
所長が私の身なりを見て答える、今の身なりは学生服のブレザーのままだ。
「ええ、そうですけど…。」
ここで怯んだら喜助さんの事を聞けない!
そう思って言葉を振り絞ろうとしたけど。
「困るねえ、部外者は。」
そう言うと所長さんはピストルのような物を私に向かって発砲した。




