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草薙裏探偵事務所  作者: 和都
「草薙失踪事件」
30/70

・第二十七話、日常

・草薙失踪事件1

「白子視点」

喜助さんがちょっとおかしくなってから二か月が過ぎた8月の上旬。

私の高校も夏休みとなる中、妙な事件があったのでした。


「うーん、喜助さん一体いつになったら帰ってくるのかなぁ?」

棚卸の中、私はお姉さん分である沙希さんに聞く。


「知らん、あの中川とかいう女が奴に仕事を押し付けなければ誰がこんな棚卸など…。」

むくれながら沙希さんは言う、嫉妬してるのかな?


「中川さんってジャーナリストの人だったよね?」

むくれてる沙希さんに聞いてみる。


「ああ、毎度毎度ロクでもない依頼をアイツに出しやがって…、ロクな女じゃない。」

やっぱ妬いてるんだなっと実感する。


「でも、もう喜助さん一か月は帰ってきてないよね…。」

一週間くらいは帰ってこなかった事はあったけど今回は長すぎる。


「うーむ、確かに長いな。一週間くらいかかる時でもこまめに連絡だけはしてきたんだが。」

沙希さんも心配してるのかな?


「まぁ奴の魂は私と同じ理の中にいる。死んでいたらわかる。」

沙希さんこういう「残念」な事言わなければ美人でいい人なのに…っと思った。


「ごめんくださーい。」

沙希さんと棚卸してる中、酒屋の入り口から聞こえてくる。


私が「はいはーい!」と出ていくと眼鏡をかけた男性が

「草薙さんはいますか?」と聞いてくる。


「喜助さん…、いえ。草薙さんは今ちょっと出ちゃってまして」

私が誤魔化すように答える。


「うん?沖田のメガネじゃないか。どうした?」

後ろからひょいっと沙希さんが顔を出し眼鏡の人に言う。

この二人、顔見知りなのかな?


「あ、星野さんじゃないですか?草薙さんっていつ帰ってくるんですか?」

眼鏡の男性が沙希さんに聞く。


「あんな奴の事は知らん!ここ一か月ほど帰ってきてない。」

むっとむくれる沙希さん、やっぱ寂しいのかな?


「それは穏やかな話じゃないですね…。」

「例の仕事ですか?」


「ああ、例の仕事だ。中川の奴が押し付けていった仕事だ。」


時々、沙希さんも喜助さんも「例の仕事」って言う時あるけど

多分、探偵のお仕事なんじゃないかなぁっと私は推測する。


「草薙さんの携帯は…ってあの人まだ携帯持ってないんですよね。」

沖田という眼鏡の人が言う。いい加減買ったらいいのにね。


「うむ、この件に関しては中川に聞け。私は棚卸で忙しい!」

そう言うと沙希さんは奥に引っ込んでしまう。


「うーん、まいったなぁ。」

眼鏡の沖田さんが言う。


「どうかされたんですか?」

私は興味本位で聞いてみる。


「いえ、ちょっと上の方から草薙さんを連れてくるように言われたんですけどね。」

そう言うと沖田さんは警察手帳を取り出し「こういうものです。」と言った。


「刑事さんでしたか、あの…、喜助さん何か悪い事でもしたんですか?」

恐る恐る、私は沖田さんに聞く。


「いえ、ただ上司が草薙さんに用事があるって事だったので…。」

あまり深刻そうではなかったのでちょっとだけホッとした。


「では、戻ってきたらこちらの番号にかけるように言ってください。」

沖田さんはそう言うと電話番号の書いたメモを私に渡してくる。


「はい、渡しときます!」


「では。」と言って沖田さんは携帯を片手にどこかに電話するようだった。


うーん、私も棚卸頑張らなきゃな…。



なかなか片付かない棚卸をようやく終え、沙希さんとお茶を飲んでる最中、

玄関からボブとジョンが帰ってきた。


「シロコサーン、ハイタツオワリマシタヨー!」

ジョンが散歩から帰った犬のように私に報告してくる。


「はーい、お疲れ様!ジョンとボブもお茶飲むかしら?」


「イタダキマース!」

ボブとジョンが声をハモらせて言う。


至って普通の日常になりつつあるけど本当に喜助さんどこ行っちゃったのかな…?


一服してる最中またも酒屋の方から「ごめんくださーい」という声が聞こえた。

今度は女性の人の声だ。


私が「はーい!」と言いながら出ていくと

スーツを着こなしたカッコいい女性がそこにいた。


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