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草薙裏探偵事務所  作者: 和都
「錦糸町時空事変編、後日談」
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・第二十六話、小さな未来改変2

・錦糸町時空事変編、後日談2

「ちょっと待て、その台詞から察するに俺とお前は、け、結婚してるのか?」

声が上ずった、すんごい恥ずかしい。


「何故、私が道具なんかと結婚せにゃいかんのだ?」

沙希が見下すように俺に言う。


「だって、お前、戸籍も一緒で運命共同体って…。」

聞き逃さなかった言葉をそのまま沙希に返す。


「ああ、運命共同体と言っても兄妹で戸籍に入っただけだぞ。」

あぁ、そっすか…。結婚してなくて本当によかった…。


俺がホッとした顔を見せたのが気に食わなかったのか

「なんだ不満でもあるのか?」と思いっきり睨んでくる沙希。


いやいや、こんな奴と夫婦なんてまっぴらゴメンだぞ!?


「いや、兄妹でいいです…、うん。」

本音を俺が口にする。


「ふん」と沙希がそっぽを向いたところでタイミングよく白子が下に降りてきた。


「喜助さん、物置の片付け終わりましたよー?」

あれ、そういや過去改変したのにも関わらずあそこは物置のままだったのか。

っと思っていると「ようやく私の部屋が出来たか。」と沙希が口にする。


やっぱあそこに住むのかよ…。

正直、仕事が今以上にやりにくくなるなっと苦笑する。


待てよ、過去改変した後って事は今まで沙希はどこに住んでたんだ?

うちはボロ屋だし親父とお袋がいた部屋も物置として使ってたから

使えないはずだが…。


気になったので聞いてみた。


「おい、沙希。今までお前どこで暮らしてたんだ?」


ギギギと首をこっちに向けてくるのがわかる。


「お、ま、え、は余計な詮索しなくていい!!!」

そう言うと沙希は俺に何やら呪文をかけ、俺の口が封じられる。


「ふむぅううむううううううう」

何かいつぞやのジジイにかけられた呪文を思い出す。


「おい、白子。ボブとジョンを使って私の荷物を二階に運べ。」

沙希は白子に命令する。


「わっかりましたー!お姉ちゃん!」

お前ら、いつからそんなに仲良くなったんだよ!と思ったが

過去改変していた事を思い出す。阿呆か俺は…。


しかし、白子はそう言うと俺の部屋に向かう。


うん…?なんで俺の部屋に行くんだよ!?


「ふむううふむうううううう」

俺は必死に白子に言おうとするが言葉がでない。

オマケにジジイの呪文とは違い体も動かない。

簀巻きにされているような、

魚が陸に上がって干からびたようなそんな感覚だった。


俺の部屋から何やら女物の私物を持ち出している白子。


あぁ…、やっぱり俺の部屋か…。とようやく受け入れ納得する俺。


ボブとジョン、白子が交互に私物を持って行って

俺はようやく動けるようになるが俺の部屋を見ると蛻の殻だ。


「おい、俺の私物はどこいったんだ!?」

沙希に聞くと怖いので白子に聞く。


「うっさいなー!喜助さんの私物なら倉庫でしょー!」

「何言ってんの、もぉー」とむくれる白子を尻目に俺は倉庫へダッシュ。


倉庫の扉を【バンッ】と勢いよく開け、倉庫の中身を確認する。


ん?見覚えのない扉がひとつあるぞ…。


そう思って開けてみると三畳ほどのスペースに

俺の秘蔵コレクション(プラモや漫画本)や私物が無造作に置かれていた。


おお、無事だったかお前達!!!


またまたホッと胸を撫で下ろす俺。


本当に全部無事なのか確認してる最中、ボブが俺を呼びにやって来る。

「マスター、オキャクサーンデース!!!」


なんかボブの俺の呼び名が

「クサナギサーン」から「マスター」に変わっているが気にしない。


「なんだ?今、俺は忙しい…」

ボブを軽く追っ払うと今度は聞き覚えのある声が聞こえてくる。


「プラモごそごそしてる人が忙しいとかいい身分になりましたね。」

その声に振り向くとそこにはニコッとした「中川優奈」がいた。




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