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転生0、縄張り



冒険者となった俺は早速薬草の採取という依頼を受け、町の近くにある森に向かっていた、町からおよそ三キロほどの位置にある森はモンスターがほぼ生息しておらず、薬草の群生地がたくさんあるという。


依頼はとても簡単で、報酬もかなり低い。


しかし、最初の依頼はこんなものだと思う、レベル1では受けられる依頼も多くはない、森の植物の採取、森の生態の確認、これくらいだ。


なんて考えていたら、あっという間に森に到着した。


森の入り口には何人か人がいたが、此方には目もくれ無かったので俺も彼らはスルーして森に入っていった。


危険なモンスターもいないし、森といっても木の数は大して多くはなく、視界も悪く無い。


そんな状況で警戒なんて全くせずに呑気に薬草を探した。


俺が過去に戻れるなら今の俺に激しく説教しただろう、警戒は怠るな、と。







◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







森に入って30分、俺はギルドでもらった薬草の図を見ながら探したがなかなか薬草は見つからなかった、薬草を5つ持ってくるのが依頼だったが、俺はまだ薬草を2つしか見つけることはできなかった。


……はぁ…どっかに薬草の群生地でもないかなぁ…


そう考えていると少し前の位置に木漏れ日がさしていた、綺麗だななんて思いながら何となく視線を光の指す根元へ向けるとそこなんと何十もの薬草の生える、まさに群生地というやつだった。


自分は運が良いなと、思いながら足りないぶんの3つの薬草を地面から傷をつけないように丁寧に抜くと、後ろからどなり声が聞こえた。


「おい!ガキィ!そこの薬草の群生地は俺の縄張りだぞ!!勝手に手出してんじゃねぇぞ!」


木の影から出てきたまさにチンピラといった風体の男は、森の入り口で見かけた男だった、ずっとつけられていのだろうか。


「な、縄張り…?」


「あぁーん?そんなのも知らねぇのかぁ?そこはな、俺が昔から薬草を拾ってた場所なんだよ、それを勝手に拾いやがって…どう責任とるんだテメェ!?」


「そんなの知らないし縄張りとか言うんだったらちゃんと印でもつけておいてくれよ」


「ほぉー?人の縄張りに手をだしておいて俺に指図すんのかぁ?へっへっへ…そんなガキには身体でわからせねぇとわかんねぇみたいだなぁ?」


と、言うと彼は、80センチほどの刃渡りの剣を腰から抜き俺に見せつけるように剣を揺らした。


物語の主人公ならこんなチンピラ簡単に倒すのであろう、しかし俺は今までの人生を平穏に暮らしてきたただの一般人だ。


つまり俺はビビっていた。


足の震えは止まらないし、腰は今にも抜けそうで、身体中に変な汗をかいていた。


魔法が使えるなんてすでに頭から飛んでいた。


そんな俺のびびり具合に彼は気を良くしたのかニヤニヤと下品に笑いながら俺に徐々に近づいてくる。


「なんだぁ?ビビってんのかよ…ギャハハ!なっさけねぇ!!おら!切り刻まれたくなけりゃ、有り金全部だすんだなぁ!」














「はぁ…情けねぇのはどっちだよ」





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